今日は昨日の冷たい雨から一転して、暖かな日差しの降り注ぐいいお天気となりました。なので久しぶりに出かける口実を作るべく、たまった洗濯物を持ってコインランドリーまで行き、一気に洗濯を片付けました。
それも終わってしまうとすごすごと自宅へ戻るしか無く、またしてもヒマな時間が過ぎていきます。こういう時には暇に飽かして動画を観たりしてしまいがちですが、後々の通信量も気になるところです。
さて、そんなことをウダウダ考えていたら、ネットでこんな画像が流れてきました。
いきなりですが問題です。上の画像は縦横に五線を引いて真ん中に全音符を一個だけ置いたものですが、これである人物の名前を表すサイン的なものになっています。さて一体誰のサインでしょうか?
実はこれでバッハの名前になっているのです。
バッハの名前はドイツ語表記では『bach』となりますが、このスペルに使われているアルファベットは全て音の名前に使われています。我々が慣れ親しんでいる『ドレミファソラシド』という読み方はイタリア語的なものですが、ドイツ語では『cdefgahc』となります。そしてシ♭にあたる音は『b』となり、これで『bach』に使える音の名前が揃います。
で、何で上のヘンテコリンな楽譜が『bach』になるのかというと、先ず左側のト音記号のところから見ると中央の全音符があるところはシ♭、先程のドイツ語読みになおすと『b』になります。
次は上に書いてあるちょっと分かりにくい記号に進みますが、これはハ音記号というものでKの字のくの部分に挟まれた線がドの音になるということを表すものです。このハ音記号はパートによって記号の位置が上下することがあり、この位置にあるとテノール記号と呼ばれます。その視点で見ると中央の全音符のあるところはラ、つまり『a』になります。
更に今度は右側のハ音記号に行くと、逆さまになってしまってはいますがこれはヴィオラにも使われるアルト記号と呼ばれるもので、この視点から見ると中央の全音符のあるところはド、つまり『c』です。
最後に下に書いてあるト音記号に移ると、こちらのシの音には♮(ナチュラル)が付いているのでドイツ語表記では『h』となり、結果的に左から反時計回りに順番に読んでいくと中央の全音符一個で『bach』となるわけです。
実はこれはバッハ自身が書いたものではなく、19世紀頃に誰かがバッハの筆跡をかなり忠実に真似た上で書いた洒落のようです。しかし、こんなことを思いつくあたり、かなりウイットに富んだ人の仕業ではないでしょうか。
また、実際にバッハはいくつかの作品中で自身の『bach』の名前を使って『シ♭・ラ・ド・シ♮』という音の並びを使った曲を作曲しています。有名なところでは『フーガの技法』の未完の大フーガに『bach』を使っていますが、もしかしたらこのサインを思いついた人物もそうした作品からこの洒落をひらめいたのかも知れません。
普段はあまり気づかなかったりしますが、時にはこうした小ネタも楽しいものです。おかげさまで、いいブログネタとなりました(笑)。