今日は一際暑くなりました。ここ数日、わりと涼しいと感じることが多かっただけに、この酷暑は身体に堪えます…。
今日は本当なら昨日の続きのデスクワークをしなければならなかったのですが、暑さに当てられたのか分かりませんがとにかくやる気がおきず、何だかグダグダしたまま日中を終えてしまいました。夕方になって少しは持ち直したのですが、結局作業はあまり進まず終いでした。
日が落ちてからも作業を続けていたのですが、その時ふいに聴きたくなったのが
フェリックス・メンデルスゾーン(1809〜1847)作曲の《夏の夜の夢》でした。
《夏の夜の夢》は、メンデルスゾーンがシェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』を元にして作曲した演奏会用序曲(作品21)と劇付随音楽(作品61)とで構成されている音楽です。伝承によると、17歳のメンデルスゾーンがシェイクスピアの『夏の夜の夢』を読んで書いたという、読書感想文ならぬ読書感想曲とでもいうべき作品です。
《夏の夜の夢》は、先ず1826年に序曲が作曲されました。元々はメンデルスゾーンが姉のファニーと楽しむためのピアノ連弾曲として書いたものでしたが、すぐにこれをオーケストラ用に編曲しました。
その序曲を聴いて感銘を受けた時のプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の勅命を受けて、メンデルスゾーンは1843年に有名な『結婚行進曲』を含めた《夏の夜の夢》上演のための12曲の劇付随音楽を作曲することとなりました。その際、先に完成していた序曲はそのまま流用されました。
《夏の夜の夢》は通して聴くと1時間以上かかるので、今回はオープニングを飾る序曲をご紹介したいと思います。
木管楽器で奏される神秘的な序奏に続いて、第1主題の跳ね回る妖精たちや第2主題群に聞こえるクラリネットによるロバのいななきといった様々な特徴的な音型やあらゆる楽器の音色効果を使って、妖精たちや動物(獣人)の住む幻想的な世界を描写しています。この作品を完成させた時にメンデルスゾーンが17歳だったということを考えると、この作品の驚異的な完成度と豊かな創意には驚かされます。
そんなわけで、今日はメンデルスゾーンの《夏の夜の夢》の序曲をお聴きいただきたいと思います。リッカルド・シャイー指揮によるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏でお楽しみください。