今日も気持ちのいい晴天に恵まれました。その分放射冷却も進み、朝晩は冷え込みました。
そんな中、
今日から5年生の音楽の時間に《冬景色》を歌うことになりました。昨今の冬らしい寒さの中で歌うには、こんなに相応しい作品はありません。
ところが、教科書を開いて歌詞を読み始めた子どもたちの頭の上に、次々と?マークが飛び交いはじめてしまいました。何がおきているのかと思って様子を見ていると
「さぎりきゆるみなとえのふねにしろしあさのしもげに…」
と、まるでドラクエの復活の呪文のようなことをゴニョゴニョ言っているのです。
確かに《冬景色》の歌詞は
といった感じの文語調なので、小学生には字面を読んでいるだけでは何のことやら分からなくなるのも無理はありません。それに、そもそも『早霧』とか『港江』とかいう単語そのものも何のことだか分かっていないようでした。
ましてや支援級の子どもたちにとっては何が何やら…といった具合で、教科書を床に投げつけかねないような苛つきを見せ始めていました。なので、
「歌詞の意味なんか分からなくていいから、とりあえずメロディだけでも追いかけて歌っておきな。」
とだけ伝えて、ハミングで歌わせることにして何とかしました。
昨今、音楽の教科書から文部省唱歌がどんどん駆逐されています。日本の教育を担う文部省が『日本語の美しさ』を歌い上げた文部省唱歌を否定していることは信じられませんし、ありえません。
もしかしたら、今後こうした生き残った数少ない唱歌も
「現代の子どもたちには歌詞が難し過ぎる」
といったくだらない理由で駆逐されてしまいかねません。本気でそんなことをしようものなら、文部省官僚を束ねて火を点けて燃してやろうかとすら思います。
これから何度か歌の練習をして、年明けにはこの曲で歌のテストをする予定です。それまでに少しずつ、この曲の歌詞とメロディの美しさを感じてもらえるように頑張ってみようと思います。
そんなわけで、今日はその《冬景色》をお聴きいただきたいと思います。国から邪険にされ続けている文部省唱歌の美しい詩と音楽の世界観を、改めてお聴きください。