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今日の午前中、神奈川県では雪がチラつきました。あまり空けずに晴れてきましたが吹く風はかなり冷たく、向かい風に吹かれると身が縮こまりました。
ところで、今日2月22日は全国的に『猫の日』でございます。2が3つ並ぶことを『222=ニャンニャンニャン』と読ませて、猫を愛でようという日となっています。
紐解いてみると、実は猫の日が制定されたのは1987年のことだったのだそうです。今から38年も前に制定されていたようですが、私が個人的に認識したのは十数年前のことです。
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私自身は猫を飼ったことはないのですが、私の知人宅ではかなり猫飼い率が高く、そこで愛でさせてもらっています。あとは、猫に関する音楽を聴いて過ごしたりもしています。
今回はそんな中から《猫の二重唱》をご紹介しようと思います。
《猫の二重唱』(Duetto buffo di due gatti)》はソプラノ二重唱とピアノ伴奏による曲で、歌曲コンサートのアンコール曲として上演されることの多い作品です。歌詞が猫の鳴き声(miau)をひたすら繰り返すだけであることからこの名があり、ソプラノ以外の声域(ソプラノとテノール、ソプラノとバスなど)で上演されることもあります。
《猫の二重唱》は
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長くジョアキーノ・ロッシーニ(1792〜1868)の作品とされていましたが、実際にはロッシーニの歌劇《オテロ》の中の曲などを別人が組み合わせて編曲した作品です。2分ほどの短い曲で、全体は3つの部分からなっています。
前半のカヴァティーナ(Adagio、ニ短調 4⁄4拍子)
デンマークの作曲家クリストフ・エルンスト・フリードリヒ・ヴァイゼ(1774〜1842)の《猫のカヴァティーナ》による
中間部(Andantino、ニ短調 6⁄8拍子)
後半のカバレッタ(Allegretto、ヘ長調 4⁄4拍子)
ロッシーニの歌劇《オテロ》第2幕よりロドリーゴのアリア「Ah! come mai non senti」による
様々な歌手たちがこの《猫の二重唱》をとりあげ、録音も残してくれていますが、そんな中から今回は
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不世出のコロラトゥーラ・ソプラノ、エディタ・グルベローヴァ(1946〜2021)と
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ブルガリア出身のメゾ・ソプラノ、ヴェッセリーナ・カサロヴァ(1965〜)との共演でお聴きいただきたいと思います。因みにこの録音ではカサロヴァが雄猫、グルベローヴァが雌猫に扮していて、はじめは雄猫につれない態度をとっている雌猫が徐々に接近し、最後には仲良く唱和する…という設定なのだそうです。
そんなわけで、『猫の日』である今日はロッシーニ(?)の《猫の二重唱》をお聴きいただきたいと思います。エディタ・グルベローヴァとヴェッセリーナ・カサロヴァのデュエット、グルベローヴァの夫君であるフリードリヒ・ハイダー(1961〜)のピアノで、なんとも楽しい猫たちの音楽的やりとりをお楽しみください。