未明からの雨ににあてられたのか昨日までの小学校勤務の疲れが出たのか、今日は自宅でグッタリしていました。昼前には和歌山県では岸田総理を狙ったテロ事件があったようですが、それを知ったのは夕方のニュースでした。
窓の外を見ると、相変わらず雨が降り続いていました。気温もあまり上がらず、スウェット上下が手放せない一日となりました。
こんな疲れのたまった雨の日に何をしようかと思ったのですが、今日は
ブラームスを聴いてみることにしました。曲は《ヴァイオリンソナタ第1番『雨の歌』》です。
この作品は1878年と1879年の夏に、オーストリア南部のヴェルター湖畔の避暑地ペルチャッハで作曲・完成されました。『雨の歌』の通称は、第3楽章冒頭の主題がブラームス自身による歌曲《雨の歌(Regenlied)作品59-3》の主題を用いているためですが、ブラームス自身はそう呼んではいません。
ブラームスは1879年2月16日に恩師ローベルト・シューマンの妻クララ・シューマンに送った手紙の中で、病床にあったクララの末っ子フェリックス・シューマンを見舞うと共に、この曲の第2楽章の主題を送っています(残念なことにブラームスが手紙を送ったその日にフェリックスは24歳の若さで他界してしまいましたが)。クララはその後、このソナタについて
「あの世にまで持っていきたい曲です」
と述べるほどの愛着を見せていました。
そんなわけで、今日はブラームスのヴァイオリンソナタ第1番《雨の歌》をお聴きいただきたいと思います。レオニード・コーガンのヴァイオリン、アンドレイ・ムイトニクのピアノによる、1955年に収録された演奏でお楽しみください。