goo

入学式

 4月1日に息子が入学式を迎え、晴れて大学生になった。喜ばしいことだ。息子は1988年生まれ、私は1958年生まれ、したがって私が大学に入学して30年経つことになる。確か入学式には参列した記憶があるが、ほとんど覚えていない。体育館に集まって、隅の方で式を傍観していたのを辛うじて思い出せるだけだ。生まれて初めて着たスーツは自分としてはなかなか似合っていたと思っていたが、傍目から見れば随分不釣合いだったことだろう。JUN のスーツだったと思うが、当時 JUN と言えば、女性物の ROPE と並んでかなり「イケてる」ブランドだったはずだ。怖いもの知らずの18歳の生意気坊主が、そんな恰好をしていれば勘違いをするに決まっている。その後の大学生として己の生活を振り返れば、あのベージュの3つ揃いのスーツがすべてを決定付けていたような気がする。

 

お祝いには赤飯だ。どうしたって赤飯だ。田舎者だと言われようが、旧弊だと誹られようが、めでたい日には赤飯を配らなきゃいけない。私は息子の入学式のために上京などせずに、お祝いを頂いた何人かの親戚に赤飯を配って歩いた。私の母方の親戚とは昵懇にしていて、息子も小さいときから可愛がってもらってきた。大学に合格したことを知らせると、誰もが心から喜んでくれた。娘が大学に合格したときは嬉しさのあまり、親戚一同を呼んでパーティーを開いたのだが、息子は派手なことを嫌がったので、仕方なく今回は自重した。それだけにせめて赤飯くらいは配らなきゃ私の気が収まらない。

 入学式に参列して、夜遅く帰宅した妻は、寂しくてたまらないらしく目を真っ赤にしていた。それでも、父兄が多くて式場には入れなかったこと、新入生よりもクラブの勧誘をする学生の方が多かったことなどは教えてくれた。別室に用意されたモニターで入学式の様子は映し出されていたそうだが、校歌斉唱の時には多くの人が唱和したそうだ。
「OB、OGがかなりいるみたいだったけど、私も一緒になって歌ってきた」
というOGでもない妻の言葉が面白かった。3年前の娘の入学式にも私は参列しなかったが、参列していたら応援歌「新生の息吹」くらいは唱和できたかもしれない。もっとも私は最初のフレーズくらいしか知らないのだけど。
 
 さすがに愛ちゃんと佑ちゃん効果で、入学式の様子を流すニュースをいくつか見た私は息子に電話してみた。
「よかった?」
「う~~ん、微妙かな。面白かったのは、ゴスペラーズの「新入生おめでとう」ビデオメールが流されたことかな」
「友達はできた?」
「まだできてないけど、クラスの中に愛知県出身者が5、6人いたよ」
「そう、そりゃよかった」
私の場合、高校で同じクラスだった級友が3人同じ学部に入学していたし、他学部まで探せばいくらでも知り合いがいた。娘も同じ高校出身者が何人か同じ大学に入学していて、話し相手には困らなかった。しかし、息子は同じ高校から入学した者を誰も知らないと言っていた。そういう意味では一からの出発であり、慣れるまでは時間がかかるかもしれない。よい友達に恵まれるといいのだが。

 さあ、大学生活が始まった。真っ白なキャンバスをどう染め上げていくかはお前次第だ。だが、とにかく大学生活を楽しんでくれ!!身体には気をつけろよ!それと、くれぐれも変なサークルには近付かないように!!
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする