goo

海洋生物

 毎日新聞15日付朝刊より

  鳥取県立博物館(鳥取市)は14日、8本足の「ヤツデイカ」
 の捕獲を発表した。体長約45センチのメスで、兵庫県香美
 町沖で12日にホタルイカ漁の底曳き網にひっかかった。
  南太平洋に分布するとされ、日本海で捕獲されたのは初め
 てという。このイカは生まれた時は10本足だが、その後、
 成体になるまでに餌をとるための2本が切れてなくなる。
  生態は不明な点が多く、「貴重な資料」(博物館職員)と
 して、ホルマリン漬けにして容器に保存。8本足が特徴なだ 
 けに、大人になっていなければ見逃したかも?

 この記事を読んで海洋生物ってやっぱり面白いなあ、と思った。と言うのは先週松井の試合が放送されず、暇に飽かせてぼんやり見ていたBShi の番組で海洋生物の特集を何日か連続してやっていたのを見たばかりだったからだ。幻のクジラ・イッカクとか、生きた化石・シーラカンスの映像とか、見たこともない生物がいくつも紹介されて見ごたえのある番組ばかりだった。その中でも最も印象に残ったのは、「コウモリダコ」という生物だ。

  体長30cm。深海600mから900mの、酸素極小
 層と呼ばれる層に棲んでいる。何百万年も前から姿
 が変わっておらず、大昔に深海に適応したと考えら
 れている。イカ・タコの先祖にもっとも近い生物と
 いわれている。
  フィラメントと呼ばれる1mもある触手を伸ばし、
 それをアンテナのようにして獲物を探知すると考えられている。

 これは息子のもっている「へんないきもの」(早川いくを著 basilico)という本からの引用であるが、さらに次のような記述もある。
 「恐竜時代から変わらない生物だが、侮れない特技を持つ。全身を裏返し、トゲまんじゅう形態に変身(トランスフォーム)してその身を防御。頭部からライトを敵に照射して威嚇。そしてその発光器を少しずつ閉じて、自分が遠ざかっていくような錯覚を敵に与え、とどめに光る粒子の煙幕と共に、一瞬で消え去る。相当な手練れである」
 深海に棲む生物はまったく私の想像をはるかに超えた、神秘的とも言える生態を持っている。時々こうした見たことのない生物をTV番組などで知るたびに、ほ~~っとため息をついてしまう。この「へんないきもの」の中にも、おどろおどろしいイラストとともにいくつも紹介されていて、イラストを見るだけでぞっとする。しかし、生き物として環境に適応し、連綿と命を繋いでいる様は神々しくさえ感じられ、生命の偉大さ・不思議さを再認識できる。もちろん地上にも負けないほど変な生き物もいるが、総じて海洋生物、特に深海に棲む生物には眼を見張るものが多くて見ていてワクワクする。
 野生生物の生態を描いたこうしたドキュメンタリー番組は見始めると止まらなくなる。時々深夜にTVを点けると、そうした番組がやっていることがあり、思わず眠るのが遅くなってしまう。人間の世界とはまったく異質の厳しい条件の下で生きるもの達の必死さ、健気さに心打たれるのかもしれない。

 ちなみに下のイッカクの写真で長く突き出ている角は、口の中から出ており、歯が変形したものなのだそうだ。




コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする