頭脳ロール

　先日、お千代保稲荷まで行った帰り道、あるスーパーに立ち寄った。そこで見つけたのが、フジパンの「頭脳ロール」《レモン＆ミルク》。


　「季節限定」とあるが、今は４月、受験シーズンはとうに終わり、受験生目当ての商品でもなさそうだ。しかし、「頭脳」とある以上、脳に何らかの好影響をもたらすと考えるのが自然だろう。レモンに何かそういった作用があるのかな、と思って、「頭のよくなる食べ物」というサイトを覗いてみたが、レモンにそんな作用があるなどとは書いてない。じゃあ、何だろう？フジパンのＨＰに行ってみた。
　すると４月の新商品を紹介するページがあって、中部地区で発売されるものの中にこの「頭脳ロール」があった。他の地区には見当たらなかったから、中部地区限定なのかもしれない。商品の紹介として、「頭脳粉を使用したパンに、レモンジャムとミルククリームをサンドしました」とある。
　「えっ、頭脳粉？何それ？」
初めて見た名称に戸惑いながらも、検索してみた。すると、
　「『頭脳粉』とは、通常の小麦粉にビタミンB1を100グラムあたり0.17ミリグラム以上配合したもので、このビタミンB1により脳の働きが活発になり記憶力や思考力が良くなるとしている」
と、Wikipedia にあった。（Wikipedia の信憑性に疑義を投げかける向きも多いが、手軽に調べられるだけについつい利用してしまう）それくらいで頭がよくなるものか、とついつい笑ってしまったが、「頭脳ロール」の成分表示には、小麦粉と記されているだけで、頭脳粉の文字はない。昨今の食品をめぐる成分表示や賞味期限に対する厳しい眼を考えれば、まさかいい加減な命名はしていないだろうから、この「頭脳ロール」にもきっと頭脳粉が使用されているはずだ。
　今さら少しばかり頭がよくなったって嬉しくもないが、とりあえず食べてみなくては何も言えない。おいしいかどうか、それが一番の問題だ。


　写真のように、中心部にはミルククリーム、その両側にレモンジャムが塗られているという二層構造になっている。で、食べてみた。「おいしい！！」レモンジャムがきっちりレモンの味を出しながらも思ったほど酸っぱくはない。かと言って、ミルククリームによって甘いだけにもなっていなくて程よいバランスを保っている。毎朝、サンドロールを１本、朝食に食べている私であるから、ちょっとばかり菓子パンにはうるさいつもりだ。その私が、「これは癖になるおいしさだ」と思ったのだから相当なものだ。ぜひもう一度食べたい・・。
　そこで早速地元のスーパーで「頭脳ロール」を探してみた・・。しかし、残念なことに、見つからなかった。妻に寄れば、スーパーによって置いてあるパンの種類が色々違うらしいから、別のスーパーに行ったら売っているかもしれない。できればもう一種類の「頭脳ロール」《はちみつ＆マーガリン》も見つけられたら嬉しいのだが・・。
　４月になって、小麦粉の値上がりに連動してパン製品も値上がりした。値上がりラッシュでいやになる。こんなご時世だからこそ、パン製造会社の社員たちも毎日「頭脳ロール」を食べて、知恵を絞って、少しでも安くおいしいパンを作り出してもらいたいものだ。