じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「CIA 秘められた真実」

2017-09-18 23:43:41 | Weblog
☆ BSプレミアム「CIA 秘められた真実」(フランス 2003年)を見た。

☆ 第1回「暗殺工作」、第2回「冷戦の終焉」、第3回「テロとの戦い」

☆ いずれも、元CIA長官や元国務長官、元諜報機関の人々へのインタビューで綴っている。よくこうした人々にインタビューできたものだと感心する。

☆ 真珠湾攻撃を予測できず、トルーマン大統領がCIAという組織をつくってから、CIAが他国の政治にどのように関与したのか(ほとんどはアメリカ企業や大統領ファミリーの利権を守るため)がよくわかる。

☆ 「正義」などといったものは微塵も感じなかった。すべてはアメリカ(実際は私企業)の利益のため。まさにアメリカの裏面史だ。

☆ ケネディ大統領の暗殺にもCIAの関与がほのめかされている。真実は情報が公開されるまでわからないがケネディを引き継いだジョンソンは、ケネディによって更迭されたダレスを重用し、またでっち上げのトンキン湾事件を口実に北爆を開始する。

☆ クリントン大統領は諜報活動より外国首脳の不倫に関心があるとこき下ろし、と9.11テロに関してはブッシュ・Jr大統領を無能呼ばわりする。

☆ ドキュメンタリーの制作が2003年なので、語られる大統領はブッシュJrまでだが、もし先があれば、オバマやトランプはどのように語られるであろうか。

☆ 謎の組織CIAが扱われる数少ない番組だった。
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仲正昌樹著「今こそアーレントを読み直す」を読む

2017-09-18 18:01:17 | Weblog
☆ NHK「100分de名著」でアーレントを取り上げていたので、「今こそアーレントを読み直す」(講談社現代新書)読んでみた。

☆ アーレントという名前は今回初めて聞いた。1905年ドイツに生まれ、1975年にアメリカで亡くなった政治哲学者だという。

☆ 「全体主義」はなぜ生まれるのか、人間の本質までさかのぼって追究した人のようだ。


☆ 本書は、閉塞感に満ちた現代社会に希望溢れるビジョン(処方箋、未来像・・・)を提示するのとは真逆の主張をするアーレントを自称「ひねくれ者」の著者が、彼女の本意を慮って解説したものである。(と私は感じた)

☆ 現代社会の諸問題をアーレント流に考えればどういうことか、についても言及されていたように思う。


☆ 前半の「全体主義の起源」のところは非常に面白かった。「国民国家→資本主義の発達→帝国主義政策」といった流れはわかりやすいし、大衆社会になって「原子化」のストレスに耐えられなくなった大衆が思考を停止し、「世界観政党」が提示する空想社会に逃げ込むといった説明も納得できる。

☆ 「イェルサイムのアイヒマン」では、ユダヤ人を虐殺したアイヒマンがごく平凡な人物であったこと、そして「平凡な生活を送る市民が平凡であるがゆえに、無思想的に巨大な悪を実行することができる」(65頁)というところは背筋が寒くなった。

☆ 中盤は、アーレントの考える理想的な在り方(公的空間における活動)や、フランス革命の評価(「解放」- 人々の仮面(社会的役割=たとえ偽善であっても)を取り去ること - は、人間の野蛮で凶暴な部分を解き放つようなものだ。原始共産制のようなルソーの「自然状態」を批判する)

☆ 後半は、更に人間の本質まで掘り下げられているが、カントの哲学が出てきたあたりから、ちょっとお手上げ状態になってしまった。「通」は、この辺りからが面白いのだろう。

☆ 私はまだまだ学習が足りないが、「世界観政党」(あるいは「世界観宗教」)の甘い誘いには乗らないでおこう、たとえ「変人」「天邪鬼」と嫌われても、批判する自分を見失わないでおこうと思った。
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