じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

伊集院静「苺の葉」

2019-09-18 23:49:58 | Weblog
☆ 伊集院静さんの「受け月」(文春文庫)から「苺の葉」を読んだ。

☆ 映画館、スクリーンにはひまわり畑を女性が歩いているシーン。これだけであの名曲が脳裏に響く。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。戦争が二人の男女の運命を大きく変えた物語だ。

☆ 伸子がこの映画を観ているとき、一人の長身の男が入ってきた。伸子は20年前の日々を思い出す。

☆ 今や49歳。後輩からは「独身主義ですか」とさえ言われる。そんな伸子にも小さな恋愛物語があった。

☆ この恋物語は敢えて書かないでおこう。

☆ そして、思い出に浸りつつ映画はエンディングを迎える。
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夏樹静子「花を捨てる女」

2019-09-18 21:01:39 | Weblog
☆ 夏樹静子さんの「花を捨てる女」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

☆ 都会のアパートで33歳のOLが刺殺された。就寝中の犯行のようで、被害者に抵抗した跡がなく、また苦痛も感じなかったようだた。被害者にとっては予想外の最期だったのだろう。ドアが施錠されていなかったことから、当初から顔見知りの犯行が疑われた。

☆ 非常にオーソドックスな展開。最後にピリッと味わいがある。切なくもしたたかな女心に男としてはとまどってしまう。

☆ 花を小道具に使うあたりは女性作家ならではか。花の美しさに込められた想いを考えながら読みたい。 
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東野圭吾「犯人のいない殺人の夜」

2019-09-18 18:23:44 | Weblog
☆ 東野圭吾さんの「犯人のいない殺人の夜」(光文社文庫)から表題作を読んだ。

☆ 有名な建築家の家で、ある女性が死んだ。胸にはナイフが刺さっていた。その家に家庭教師として出入りしていた男は脈をとって手遅れだと言った。建築家は警察に知らせることを嫌い、死体を隠蔽することになった。数日して、女性の兄と名乗る男がやって来るようになった。妹がこの家を訪れるとメモを残していたというのだ。

☆ 殺人の夜と後日談が交互に進む。前半は戯曲のような感じがした。何か舞台を見ているようだった。

☆ 終盤、なぜ女性が殺されたのか、そして殺人の裏の複雑な事情が紹介される。話者がちょくちょく変わるので混乱するが、それもトリックの装置なのだろうか。
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