じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

大門剛明「テミスの求刑」

2024-11-01 19:45:39 | Weblog

★ 冤罪のニュースが相次いだ。たとえ無罪となり、検察や警察のトップが詫びようが、濡れ衣を背負って自由を奪われた年月は戻ってこない。これまでにどれほどの人々が冤罪で自由を奪われたであろうか。無念の内に生涯を終えたであろうか。

★ さて今日は、大門剛明さんの「テミスの求刑」(中公文庫)を読み終えた。主人公は検察事務官の女性。彼女の父親は警察官であったが殉職している。容疑者が逮捕され裁判を経て服役していたが、獄中で自ら死を選んだ。背景に検察官の強引な取り調べがあり、彼は冤罪であったらしい。

★ 事件の遺族でもある彼女は真相を追うが、その矢先、彼女が担当している検察官が殺人事件の犯人として手配される。

★ 事件はますます複雑に入り組んでいく。そして法廷で、真実が明らかになっていく。

★ 警察官や検察官など司法に携わる人が犯罪に加担すれば、真相は闇に葬られかねない。「正義」「倫理」「良心」。人権を守るために幾重にも防波堤は築かれているが、結局は彼らの心に頼るほかないのか。

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