★ 単調な日が続く。中学校の期末テストまであと2週間。期末テストが終われば冬期講座。そして年が明ければ受験本番だ。1年などほんとに「あっ」という間だ。
★ 今日は村上龍さんの自伝的な小説「69 sixty nine」(集英社)を読んだ。1984年から85年にかけて書かれた作品で、初版は1987年になっている。私は1988年2月13日に1度読み終えたと巻末に記している。
★ 主人公は日本の西端、佐世保の進学校に通う高校生。東京など大都市を中心に吹き荒れた学生たちの反乱は、炭鉱不況に苦しむこの地方にも影響を与えていた。
★ 主人公たちは17歳。特に政治に関心があるわけではないが、仲間たちが集まって学校の「バリ封(バリケード封鎖)」を実行する。米軍基地のある佐世保という土地柄はあるものの、彼らの行動は学校というシステム、体罰が横行する強権的な教師たちに対するうっぷん晴らしのようなものだった。
★ 進学校始まって以来の不祥事ということで主人公たちは無期限の停学謹慎処分。停学が解除された後、今度は「フェスティバル」開催に向けて動き出す。
★ 印象的なのはとにかく彼らは元気だ。動機や是非はともかく、主体的で行動的だ。与えられた道を歩むことに違和感を感じ、自ら道を拓こうとしている。レールの上を歩む方がずっと楽なのに、それを拒否するグツグツとした気持ちが伝わってきた。
★ 今は、社会も学校も教師たちも変わった。体罰などもってのほか。強く指導しようものならパワハラと批判される。多様性や個性が重んじられるようになった。一方で、押さえつけが少なくなった分、反発するパワーも弱くなった気がする。社会が安定した証で、良いことなのであろうが。