★ 期末テストが終わった終末。今日は午後6時には生徒がいなくなったので、ちょっぴりのんびりできた。U-NEXTでドラマ「遺留捜査」スペシャルを何本か観た。昔の警視庁編と最近の京都府警編。それぞれに面白かった。
★ 夜、吉田修一さんの「熱帯魚」(文春文庫)から、「グリンピース」を読んだ。就活中の若い男。自分で借りている部屋はあるものの、今は彼女の部屋に入り浸っている。
★ 男には入院中の祖父がいて、祖父の年金で食いつないでいる。他に身寄りがないので時々見舞いに行くが、弱った人を見るのはどうも苦手なようだ。そもそもがわがままな性格なのか、仕事が決まらないいらだちなのか、男は彼女にグリンピースの缶を投げつけた。男はグリンピースが好物なのだ。
★ あまりの男の身勝手さに彼女は部屋(もともと自分が借りている部屋なのだが)を出ていくのだが。
★ 仲が良いのか悪いのか。相性が合うのか合わないのか。当事者たちにもわからない様子。煮え切らないカップルがうまく描かれている。不平不満を言うなら、いっそ独りで生きてゆけばよいのに。そんなことを思うのは年をとったせいだろうか。二人が仲直りをして作った酢豚はおいしそうだった。
☆ 読書中の作品
歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」探偵見習の男がヤクザ組織に潜入しているところが面白い。
奥田英朗「オリンピックの身代金」1964年の東京オリンピック。変わっていく東京の様子がよくわかる。
百田尚樹「永遠の0」特攻で戦死した祖父のことを孫が調べる。果たして祖父はどんな人だったのか。
辻井喬「終りなき祝祭」旧家出身の新進陶芸家が女性解放運動で活躍した女性と結婚する。
下村敦史「闇に香る嘘」目の不自由な主人公。彼が「見る」風景が巧みに描かれている。
千葉雅也「デッドライン」哲学の話と同性愛。刻々と迫る論文の締め切り。
長嶋有「三の隣は五号室」変な間取りのアパートに住んだ人々の遍歴。
萩原浩「神様からひと言」サラリーマンが主人公。
垣根涼介「君たちに明日はない」リストラ請負会社に勤める男が主人公。
折原一「帝王、死すべし」あの小学生刺殺事件がモチーフか。
立松和平「光る雨」連合赤軍事件を描く。
東野圭吾「禁断の魔術」ガリレオシリーズ。