☆ 芥川龍之介「羅生門・鼻」(新潮文庫)から「袈裟と盛遠」を読んだ。
☆ 盛遠は袈裟と言う少女に恋焦がれるが、その気持ちは受け入れてもらえず、袈裟は渡と言う侍のもとに嫁いだ。3年ぶりに盛遠は袈裟を見かけ、自分のものにしたいという情念が燃え上がってくる。いろいろあって強引にも一夜を過ごした盛遠。袈裟に夫殺しをもちかける。盛遠の計略に乗ったかに見せかけた袈裟だったが・・・という話。
☆ 原典は「源平盛衰記」の「文覚発心」。後に源頼朝をサポートした文覚という僧がいた。元は北面の武士で遠藤盛遠といった。従妹でもある袈裟という人妻に横恋慕し、強引に体を奪う。ことが終わった後で袈裟は盛遠に夫殺しをもちかける。その気になった盛遠。袈裟の夫、渡の首を断ち切って、これで袈裟は我がモノと家に帰ったのだが、その首は渡のものではなく袈裟のものであった。理不尽にも不倫したことを夫に詫びる覚悟の末のことであったのだろう。さすがに盛遠はショックを受け、出家したという。
☆ この作品は芥川作品よりも原典の方が面白く感じた。多分、芥川は「藪の中」のように一つの事実を2つの視点から捉えたかったのであろう。それが、盛遠と袈裟それぞれの独白で記されている。意図は判るが、話を複雑にしているように感じた。
☆ 盛遠は袈裟と言う少女に恋焦がれるが、その気持ちは受け入れてもらえず、袈裟は渡と言う侍のもとに嫁いだ。3年ぶりに盛遠は袈裟を見かけ、自分のものにしたいという情念が燃え上がってくる。いろいろあって強引にも一夜を過ごした盛遠。袈裟に夫殺しをもちかける。盛遠の計略に乗ったかに見せかけた袈裟だったが・・・という話。
☆ 原典は「源平盛衰記」の「文覚発心」。後に源頼朝をサポートした文覚という僧がいた。元は北面の武士で遠藤盛遠といった。従妹でもある袈裟という人妻に横恋慕し、強引に体を奪う。ことが終わった後で袈裟は盛遠に夫殺しをもちかける。その気になった盛遠。袈裟の夫、渡の首を断ち切って、これで袈裟は我がモノと家に帰ったのだが、その首は渡のものではなく袈裟のものであった。理不尽にも不倫したことを夫に詫びる覚悟の末のことであったのだろう。さすがに盛遠はショックを受け、出家したという。
☆ この作品は芥川作品よりも原典の方が面白く感じた。多分、芥川は「藪の中」のように一つの事実を2つの視点から捉えたかったのであろう。それが、盛遠と袈裟それぞれの独白で記されている。意図は判るが、話を複雑にしているように感じた。