小山慶太著「物理学史」裳華房
以前「ニセ科学とどうつきあうか」の中で紹介した
小山慶太「科学の歴史を旅してみよう~コペルニクスから現代まで」NHK出版
から物理関連を少し深堀したような内容になっております。
章立ては「力学の確立と発展」⇒「光学と電磁気学の融合」⇒「熱力学の完成」⇒「微視的世界と量子力学」⇒「相対性理論の誕生と展開」⇒「基本粒子とその相互作用の探求」⇒「ノーベル賞と現代物理学」となっており、ニュートン力学から現代物理学までを概観するものとなっております。
学生時代に最も興味があったのが量子力学でした。原子物理学の講義で、前期量子論に至る歴史的背景等々も学んではいたものの、それは結論に至る道のみのダイジェストであって、試行錯誤の過程ではありませんでした。そして量子力学完成に至る道・・・。
自然はかくあるべきといった信念に等しき確信や思い込みを振るい払うことの難しさを感じます。科学者でさえそうなんですから、況や凡人はと思います。
であるからこそ、科学を学ぶ大切さがあることを教えてくれます。科学史には、小難しい数式は出てきません。そこには科学を通した人間のドラマが展開しております。つまらない小説より、ずっとずっと面白いと思います。