平成26年2月12日(水)一時後
ソチ五輪ノルディックスキー複合個人は12日に行われ、
前半のジャンプ(ノーマルヒル)で6秒差の2位につけた
エース・渡部暁斗(25=北野建設)が後半の距離(10キロ)で
激しいせめぎ合いの末、銀メダルを獲得した。
【選手名鑑】渡部暁斗
日本がノルディックスキー複合でメダルを獲得したのは
1994年リレハンメル大会の団体・金(阿部雅司、荻原健司、河野孝典)、
個人・河野孝典の銀以来、5大会ぶり20年ぶりの快挙。
複合ニッポンの復活となった。
W杯を総合3連覇した荻原健司・北野建設監督が果たせなかった
個人種目メダリストの仲間入りを果たした。
渡部暁はジャンプで1位のエリック・フレンツェル(ドイツ)に6秒遅れてスタート。
1・5キロ地点では首位に立った。
その後、双方がけん制しあいながらレースが進み、3位以下も猛追。
渡部暁は終始トップで引っ張ったが、残り1キロを切りフレンツェルが逆転、
そのまま逃げ切った。
渡部暁は今季W杯で5度の表彰台。
前日11日の公式練習でも96・5メートル、101・5メートル、99メートルを飛び
「いい感じ。いつも通りに勝ちにいく」と好調を維持。
この日も100・5メートルを飛び、130・5点。
トップと6秒差の2位につけていた。
荻原次晴キャスター歓喜&号泣
20年ぶり複合メダルに…兄健司氏も絶叫解説
デイリースポーツ 2月12日(水)22時29分
ソチ五輪ノルディックスキー複合個人が12日に行われ、
渡部暁斗(25)=北野建設=が銀メダルを獲得した。
日本がノルディック複合でメダルを獲得したのは1994年リレハンメル大会以来、
20年ぶり。
ノルディック複合の元五輪選手で、
テレビ東京のソチ五輪メインキャスターを務める荻原次晴氏(44)は、
「20年ぶりのメダル」に、「おめでとう!」と号泣。
お家芸復活に男泣きした。
【写真】渡部暁20年ぶりメダルも銀では不満「今度こそラージで金メダル!」
98年の長野五輪出場後に引退し、現在はスポーツキャスターを務める荻原氏。
メーンキャスターとしてソチのスタジオで銀メダルの瞬間を見守ると、
「暁斗(あきと)~~!おめでとう!」と歓喜の雄叫び。
キャスターの立場というよりも、ノルディック複合の関係者として
「日本の皆さん、応援ありがとうございました」と声援に感謝した。
みるみる顔は興奮で赤くなり、
「この20年間、ノルディック複合は、皆さんの期待を受けながら、
メダルを取れなかったんです」と話し始めると、涙で声を詰まらせ、
「本当に…苦しかったんです、ノルディック複合は…」
と話すのが精一杯。
左胸に入れていた白いハンカチを取り出すとあふれる涙を拭き、
机に両手をついて、震える身体を支えると、後は言葉が続かず、
須黒清華アナウンサーにフォローされた。
鼻をかみながら、感激に浸るようにしばし沈黙した荻原氏は
「ありがとうございました。暁斗、ほんとにやったな」と嗚咽を漏らしながらつぶやいた。
渡部のハイライト映像のオンエアが終わり、スタジオに映像が切り替わっても、
荻原氏の目は真っ赤。
「いや、本当にありがとうございました。
日本の複合は90年代、オリンピックでメダルを獲得して、
その後、“日本のお家芸”と皆さんに言っていただいた割には、
なかなか世界で結果が残せなくて、本当に苦しいシーズンが続きました」
と長く、苦しい20年を乗り越えて獲得したメダルに、男泣きしていた。
荻原氏は、後半のクロスカントリー開始前には、
「ぼくの携帯に『だれかみたいに熱すぎる』『目が充血している』『ネクタイが曲がっている』とかどんどんメールが入るんですが、クールでいられるはずがありません!」
と話すなど、松岡修造ばりに“熱すぎる男”を十分に自覚していた。
この日は、92年アルベールビル、94年リレハンメル五輪の団体戦で
2大会連続金メダルを獲得した双子の兄で、
「キング・オブ・スキー」と呼ばれた北野建設スキー部部長の荻原健司氏が解説を務めた。
健司氏も前半のジャンプで、渡部のジャンプに
「よーし!よーし!いいぞー!」と絶叫するなど、
熱すぎる解説がインターネット上で話題になっていた。