平成21年12月27日(日)
午後から久し振りに劇団四季の
『55steps ソングandダンス』を I さんと鑑賞しました。
それぞれの演目をご覧になっていた方々には、こたえられないほど
楽しい歌とダンスのメドレーで、感動の連続だったことでしょう。
我々の席の周りは、若者で超満員でした。パワフルな歌と踊りにうっとりでした。
劇団四季(げきだんしき)は、年間3,000ステージ超、
俳優・スタッフ700名以上を有する
日本最大規模の劇団です。
劇団創立は 1953年(昭和28年)7月14日。
海外ミュージカル作品の上演だけでなく、
最近は、子供向けのオリジナルファミリーミュージカルも人気があるようです。
劇団四季は、日本においてミュージカルを定着させるのに
大きな役割を果たしてきています。
劇団四季は、当初は東京大学と慶應義塾大学の仏文科の学生
学生演劇集団でした。
そして、最初からミュージカル劇団だったわけではなく、
設立からかなり長い期間がストレートプレイ専門の劇団でした。
というのは、当時 新劇界を席巻していたイデオロギー優先で
演劇的な面白さを欠いた潮流に懸念を抱いた創立者たちが、
演劇そのものの面白さを追求する劇団として立ち上げたからです。
主にジャン・ジロドゥやジャン・アヌイらフランス文学作家の書いた戯曲を
演じていました。
劇団の精神的指導者は
創立メンバーにフランス演劇を教えた加藤道夫氏だったのですが、
加藤道夫氏は劇団四季の創立直前に死亡。
最初は学生による同人的な劇団だったが、次第にプロ化し
1967年に株式会社になり「四季株式会社」となりました。
「四季」と名付けたのは、俳優・演出家の芥川比呂志さん。
ちなみに、創立メンバーである浅利さんたちは、
彼らが愛読していたT・S・エリオットの長編詩から着想を得て、
「荒地」という劇団名を考えていたということです。
芸術性を優先して日本人による創作劇を連続上演して経営危機に陥ったり、
生活を支えるためにアルバイトを優先する劇団員と
それを批判した劇団幹部の対立によって
内部分裂の危機に見舞われたりしたが、
安定した集客力をもつ高いレベルの芝居を上演することで、
芝居だけで劇団員が生活できる経営を目指すようになっていきました。
1971年に越路吹雪主演のミュージカル『アプローズ』をヒットさせてから、
さまざまなミュージカルを上演しながら技術を蓄積し、
1979年に『コーラスライン』を上演したことが転機になりました。
日本の劇場は月単位契約のために大ヒットを重ねても
どうしても収益が限られてしまうため、
劇団四季は四季専用の劇場を得ることを模索しはじめたのです。
1983年に西新宿の空き地にテント張りの仮設劇場を設けて、
『CATS』のロングラン公演に踏み切りました。
1984年の11月10日までの長丁場の公演となりました。(山田卓振り付け)
1985年に大阪市西梅田の旧国鉄コンテナヤードに仮設テントを設けて
『CATS』を再演し、13ヶ月のロングラン公演を達成しました。
『コーラスライン』を上演するまで劇団四季の上演回数は多くても年19回で、
年平均 10回程度。
『コーラスライン』を上演した1979年は前年の50倍の581回となり、
『CATS』を初演した1983年は707回。以後一貫して上演回数が増え続け、
2002年には2530回上演しています。
近年は、子供向けファミリーミュージカルにも力を入れているようです。
福岡市の私立幼稚園連盟の教職員対象に、
この珠玉の宝石箱とも称されている『55steps ソングandダンス』の
練習風景やバックステージを見学したりして
身体表現や歌やダンスの研修会が開かれるそうです。
数年前、北九州市八幡西区の私立幼稚園連盟の教職員対象に
ミュージカル『ライオンキング』鑑賞の時には、
ただ鑑賞するだけではなく
劇団四季の横のホテルで、鑑賞後の青木道夫先生の講演会が開催され、
とても刺激的で「感性を高める」勉強になったという事を受けて、
あちらこちらで、ミュージカルを学びの素材にする
教職員の研修が広がってきたようです。
子どもたちの感性を高めるには、まず、教職員が感性を磨き
「美しいものは、美しい」と感じ
「価値あるものは、価値ある」と見分ける力をつけ
常に、アンテナを張り、
より佳いものを子ども達にふれさせる環境作りに努めるよう願います。
そのためには、余暇を利用して
常日頃から芸術の香り高い本物の価値あるもの
(絵画・音楽・演劇・舞踏・文学・書・茶道・華道・香道・陶芸・庭園…)に
沢山ふれ、実際に実物をみて、のびのび心を遊ばせて
自己の人間性を高めてゆくように願っています。
さて、『55steps ソングandダンス』は、1月3日までです。
平成22年 新春1月14日(木)からは、
福岡で『コーラスライン』↓ の上演開始です。
http://www.shiki.gr.jp/closeup/chorusline/movie/
また、長期休暇には、必ず大自然の中で、ゆっくりと
風に吹かれ 鳥の声や、木々のこずえの語らいに耳を傾ける
これは、何より感性を高めるには大事なことです。
その前にまだ
さて、『センス オブ ワンダー』をまだ読んでいない保育関係者の方は、
是非ともお早めにお読みくださることを お勧めいたします。
サブタイトルは ~子どもたちへの一番大切な贈り物~
レイチェル・カーソン 著/上遠恵子 訳/新潮社/1,400円(税別)
レイチェル・カーソンは、1962年に著書『沈黙の春』で
農薬や化学物質による環境汚染や破壊の実体に、
いち早く警笛を鳴らしたアメリカの海洋生物学者です。
『センス・オブ・ワンダー』は、彼女が幼い子ども(甥)と一緒に
自然を探索した体験をもとに書かれたエッセイで、
子どもたちと自然の中に出かけ、神秘さや不思議さに目をみはる感性を育み、
分かち合うことの大切さを伝えています。
本の中でレイチェルは、問いかけています
美しいもの、不思議なもの、神秘的なものを見つけ、
喜んだり、驚いたりする「感じるこころ」を育てようと。
子どもの頃は誰もが豊かに持っている「感じるこころ」。
おとな達は誰もが「子どもたちに豊かに育ってほしい」と言います。
でも、大人たちは、子どもたちと感動を分かち合うようにしているでしょうか。
人工物に夢中になって自然から遠ざかったり、
自然に触れても知識を身につけることに気をとられ
「感じる」ことをしなくなっているのではないでしょうか。
大切なのは、まず「感じるこころ」を育み、輝かせること。
そのために、美しさ、神秘さにあふれる自然に入ってみよう・・・と。
文中から引用~ 寝る時間がおそくなるからとか、
服がぬれて着替えをしなければならないからとか、
じゅうたんを泥んこにするからといった理由で、
ふつうの親たちが子どもから取り上げてしまう楽しみを、
わたしたち家族はみなロジャーにゆるしていました。
ともに分かち合っていました。
子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、
驚きと感激にみちあふれています。
残念なことに、
わたしたちの多くは大人になる前に澄みきった洞察力や、
美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、
あるときはまったく失ってしまいます。
もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に
話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない
<センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性>を
授けてほしいとたのむでしょう。
この感性は、やがて大人になるとやってくる怠慢と幻滅、
わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、
つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、
かわらぬ解毒剤になるのです。
もし、あなた自身は自然への知識をほんのすこししかもっていないと
感じていたとしても、親として、たくさんのことを子どもにしてやることができます。
たとえば、こどもといっしょに空を見あげてみましょう。
そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れる雲、夜空にまたたく星があります。
「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす
種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ
肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。
美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、
思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情が
ひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたい
と思うようになります。
そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。
消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、
むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうが
どんなに大切であるかわかりません。
人間を超えた存在を意識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことは、
どのような意義があるのでしょうか。
自然界を探検することは、
貴重な子ども時代をすごす愉快で楽しい方法にひとつにすぎないのでしょうか。
それとも、もっと深いなにかがあるのでしょうか。
わたしはそのなかに、永続的で意義深いなにかがあると信じています。
さて、もうすぐお正月。 初日の出を見に行ったことがありますか?
子どもと一緒に、皿倉山に登って、初日の出を見ませんか?