平成20年10月29日(水)
今年は、秋のお彼岸を過ぎても、毎日猛暑が続いていましたが、
3日前頃から急に気温が下がってきて、日中はまだ半袖の人もいますが、
朝晩は、長袖のブラウスやシャツを着て
ジャケットをはおっている人が増えてきました。
私も、毛布や肌布団だけでは明け方が寒いので、薄手の布団を出してきました。
関東地方では紅葉が美しくなってきたようです。
つい先日、秋になったばかりだと思っていたら、
早くも北海道では初雪が観測されたとのこと。でも、例年より随分遅いのです。
本格的な冬景色になり始めたと報じられています。)
先日発表された気象庁の予報では「今年の冬は暖冬」
なのだそうですが、そろそろ北九州でも寒さ対策が必要になってきました。
それにしても、もうすぐ製鉄所の起業祭の時期が来たというのに、妙に暖かい!
つい先日まで、暑がりの子どもたちには、汗を拭かせたり、水分補給にも
気を遣ったりしていました。
この「暖冬」というのは、やはり、地球温暖化の傾向が否めません。
クリントン政権下で副大統領を務め、2000年の大統領選挙で
現在の米大統領であるブッシュ氏に破れたアル・ゴア氏。
彼は全米規模のコンピュータネットワークを構築するという
情報スーパーハイウェイ構想を提唱した人物としても知られ
現在でもAppleの取締役やGoogleのシニアアドバイザーを務めるなど、
テクノロジー業界に縁の深い人物です。
そのゴア氏が今、心血を注ぐのが地球温暖化問題。
彼の講演をまとめた映画『不都合な真実』が昨年米国で公開され、
大きな話題を呼び、ロサンゼルス映画批評家協会賞の
最優秀ドキュメンタリーノン・フィクション映画賞をはじめとして
多くの賞を受賞しており、2007年1月20日からは日本でも公開されました。
この映画の公開に先立ち、昨年1月15日、東京都内の映画館で
プレミアム試写会が開かれ、ゴア氏がこの映画や地球温暖化問題に
寄せる熱い思いを語ったのです。
ゴア氏は「日本語の「危機」という字は、「機会」という意味も含まれている。
この映画が温暖化問題を考える「機会」になってほしい。」と呼びかけた。
ゴア氏は地球温暖化問題を「人類史上最大の危機」と指摘する。
気温の上昇によって海面が上昇して陸地が減少するほか、
気温の変化によって生態系が変わり、植物や動物が絶滅する恐れがある。
「地球温暖化」は着実に進行しており、止まる気配はない。
地球の平均気温は20世紀の間に約0.6度上がったと言われており、
このまま行けば2100年にはさらに1.4~5.8度上昇し砂漠化が進むという予測もある。
「たいしたことない」と思うかもしれないが、これが自分の子どもだったらどうだろう。
体温が36度の平熱から5度上昇して41度になったとしたら
かなり重大な問題だ(ゴア氏)。
もし自分の子どもが熱を出せば、ただちに病院に行って
医者のアドバイスに従うだろう。同じように、温暖化の問題には、
警鐘を鳴らす科学者たちの声に耳を傾けるべきだ とゴア氏は訴える。
ゴア氏は1960年代後半から温暖化問題に取り組んでおり、
1997年に採択された京都議定書の交渉にも尽力した。
米国では連邦議会が議定書の批准を渋り、ブッシュ政権になってからは
議定書からの離脱を正式に表明している。
この点についてゴア氏は
「本来なら米国がリーダーシップを発揮すべき分野だ」
として現政権を批判。同時に、この会議で議長国を務めた日本には、
「引き続き温暖化問題でリーダーシップを発揮して欲しい」と期待を寄せている。
地球の温暖化は進んでいるが、ゴア氏は
「いろいろな解決策が出てきており、時間もまだ残されている」と語る。
二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすような技術も登場しており、
足りないのは「行動する意志」(ゴア氏)というわけです。
不都合な真実のウェブサイトには、誰でもできる取り組みとして
「白熱電球を電球型蛍光灯に交換する」などの方法が挙げられている。
ゴア氏は、映画を通じて温暖化の問題を世界中に訴え、
1人1人がこの問題を解決するための一員になって欲しいと語る。
再び政治の世界に戻るつもりはないらしい。
ゴア氏は、「再び立候補するつもりはありません。
この温暖化問題がいかに切迫したものであるかを世の中に伝え、
解決に結びつけるための活動で手一杯ですから。」
2007年には、この功績が認められ、彼はノーベル平和賞を受賞しました。
(2004年はケニアのワンガリ マータイさんでした。)
私は北九州市国際会議場での『不都合な真実』の試写会で非常に
わかりやすいプレゼンテーションの内容にショックを受けましたが、
視聴者の中には「大袈裟な!?」と感じた方もいたようでした。
とにかく、アル・ゴアが提唱した『CO2 削減』に
全世界の人が協力して省エネにも取り組まないと…大変な事態になりかねません。
今、理屈っぽく ゴアさんや映画の批判ばかりをしている場合ではありません。
そこで、環境都市といわれ、公害克服の経験豊富な北九州市には
「環境ミュージアム」がありますし、
「全国で初めての年齢別の環境教育教材」というのがあります。
・総合的・体系的な内容で、全国で初めての
幼児から中学生までの成長段階にあわせた5段階シリーズです。
・執筆は、小・中学校、幼稚園・保育所等の現場教師
・北九州市の事例を、写真やイラストを多用しビジュアルに構成
・市内の全幼稚園・保育所、小・中学校に配布済み
というような特色のあるこの
幼児版『コスモスぼしからきたペルル』という絵本を
直前にも読み聞かせしました。
そして、昨日10月28日は、北九州市私立幼稚園連盟の50周年を記念する
節目の年に、記念事業として市内の私立幼稚園95園が一斉に
「地球環境エコ保育」に取り組み環境問題について学びました。
北九州市は今年平成20年7月に国の『環境モデル都市』に選ばれました。
そこで、
幼児なりに『もったいない』という意識を高めて『CO2 削減』のために
今日からどう取り組めばよいかを色々考えて、ゴミ削減・レジ袋削減を図る
約13000人の園児が全員で「エコバッグ作り」をしました。
その模様は、今朝の讀賣新聞北九州版にも掲載されていました。
どうぞご覧ください。
子どもたちは来週までエコバッグを使って、お買い物ごっこなどを展開して、
このエコバッグを家庭に持って帰ります。
各家庭で買い物に行くときには必ず使っていただき、
親子で身近なところから環境問題の解決の
毎日の実行を是非おねがいします。
今、園では「4つの約束」に取り組んでいます。
『もったいないばあさん』という絵本や
ベネッセの『もったいない村のモッタくん』の紙芝居を見て
9月からとりくんでいます。
①ものを大切に使う
②見ないテレビや電気は消す。
③食べ残しをしない。
④水を出しっぱなしにしない。
この4つの約束が守れたら、「葉っぱ」にシールを貼って幼稚園に持ってきます。
幼稚園の玄関ホールや廊下には、今、大きな樹がどんどん茂ってきています。
また、ソニーの作った『そらべあ』という絵本もホッキョクグマの親子が
氷が溶けてきて、寝てる間に別れ別れになってしまったストーリーを
クマの兄弟の涙を切実に身にしみて子どもながらに考えさせるテーマで、
子どもたちからの反響も大きかったようです。
市内の私立幼稚園で、一斉に地球環境問題を考えて、
非常に有意義な保育が行われた日だったと思いました。
が、あくまでも、
ゴアさんのおっしゃるとおり、
これを機に、おとなも子どもも
一人ひとりが、毎日実行しなければ…です。
最高にCO2を排出しているアメリカや北京オリンピックが終わったお隣の
中国の皆さんも、ロシアもインドも日本も、
食品問題も環境問題も安心安全な暮らしが出来るように
是非このような意識を 幼児期から育んでいただきたいものですネ。
地球は一つ、人類はみな兄弟、
空気も水も ただではありません。