緑ヶ丘・第二幼稚園 最新かがやき日記

緑ヶ丘・第二幼稚園のかがやく子ども達の成長を見守り、親も教師も園長も子どもに負けず共に成長する日々を綴った日記です。

訃報 井上伝先生を悼む

2011年03月29日 15時11分52秒 | 近況・記念日

平成23年3月29日(火)晴れ 後 曇り 後 時々小雨

 昨日、午後から 、東筑病院へお見舞いに行きました。

佐藤先生の妹さん赤星様が、知らせてくださり、初めて知りましたが、

昨年末から、絵の井上伝先生は、風邪をひき それが元で、

持病の喘息が悪化し、酸素吸入したり、

薬を点滴してもらったりだったそうです。

一旦は、熱も下がり、お元気に快復したようでしたが、

また、1月7日から肺炎が悪化し、ついに入院なさっていたのでした。

 

一昨日までは、小康状態になられて、リハビリを頑張っていたそうですが、

昨日、また急に肺炎がひどくなり、

容態が急変し、親族が病院へ集まるように要請されたそうでした。

 

 奥様は、連日の付ききりの介護の疲れが出てバテテしまっていたので、

一昨日は、一日中 ご自宅で休まれていたそうです。

 昨日は、朝から、3階の病室には、長女のるみこさんが駆けつけてあげていました。

市内に住む るみこさんは、

「今年は、癌で逝った夫の13回忌です。長女がもう30歳になりました。」と言って

容赦ない歳月の流れを話し、近況を知らせてくださった。

 

 そうこうしている内に、三女みすずさんと奥様と孫娘さんが、駆けつけてくださった。

 関西在住の次女のつぐみさん一家も駆けつけている最中らしい。

 

 理事長先生と、お見舞いさせていただいたのでしたが、

井上先生は、息をするのが、とても辛そうで、

酸素吸入なさりながら、肩を大きく上げ下げして、

じーっと目をつぶって、きつそうな表情でした。

 血圧が下がってしまい、

一時は、危ない状態に陥っていらっしゃったのです。

 

でも、厳寒のシベリア抑留生活を経験されて、

不撓不屈の強い心をお持ちの人です。

それで、ご家族は、

「多分また、この程度の肺炎ならば、きっと復活します。リハビリも頑張って、

もう少しで家に帰れる寸前まで良くなってきていましたから。

まだ、描きかけの絵もありますから。また、心ゆくまで描くでしょうから。」

と、楽観的に希望を持って語っていらした。

 

「井上先生、お大事になさってください!明日、また来ますね。」

と私がいうと、両眼を大きく開けて、じーっとこちらを見つめて、何か言いたそうでした。

微かに頷いてくださいました。 

 結局、それが、最後のお別れのご挨拶になりました。

 昨夜、ご他界でしたか。

間に合って良かった!

 

 長年の熱心な絵画表現のご指導、

歯に衣着せぬストレートでユーモアたっぷりの分かりやすい説明で

やさしい笑顔のご指導、誠にありがとうございました!

トレードマークのベレー帽がお似合いでした。

スラリと細身の長身で、いつも身だしなみに気を配り

さりげない大人の雰囲気の 気取らないシックなお洒落で、色使いも素敵でした。

特に健康保持には、特別に節制をして、口ぎれいで、自分に厳しく、

独特の早寝早起きの生活スタイルを守っていらっしゃいました。

ひとえに一日でも長く、好きな絵を描き続けていたいからでした。

 

昔は、茶系統~白茶や黄色の抽象的なモダンな雰囲気の絵を多く制作されていましたが、

最近の絵は、ブルーを基調にした海や空や森の中の絵が多数アトリエに見られていました。

それに「月」をモチーフにした絵もとても多く、象徴的に「母性」を表現しておられました。

現在、北九州市立美術館にも 井上伝先生の数点の大型作品が収蔵されています。

 

それぞれの心の中に、

いつまでも 井上先生の「美しさ」を追求する端正な質素な生き方や 

不正や権力志向の人や金儲け主義の人を嫌う 

正直で、エスプリの効いた素朴なお言葉が、しっかり生き続けます。

 

時に繰り返し伺った、

「死と直面したシベリア抑留の体験」から

「いかに丁寧にそれぞれその人らしく生きるのか」を 

薫陶を受けた教師達に 「しあわせとは?」と問い続けられることでしょう。

 

井上伝先生は、子どもの立場に立った、真に生きる力を育てるための 

知恵の塊のような 「考えさせる保育」を真摯に要求されていました。

その意図するところが理解できない人には、

繰り返し注意が与えられました。

「何のために絵を描くのか?」

「心を育てるとは?」 

「心ゆたかとは?」

「プロの幼児教育者とはどうあるべきか?」 

 

卵かけご飯に、胡麻油を少しだけ垂らして

混ぜて食べさせてくださった愛しいお祖母様に、

幼少期を過ごされた朝鮮の空を経由して、

もう直ぐそちらの世界へ到着し、

久し振りに お会いなさることでしょう。

 

衷心より 謹んで 心から ご冥福を お祈り致します。

 

         訃   報

故人:井上 傳(いのうえ つたう)満87歳

喪主:ご夫人 井上 照子(いのうえてるこ)様

通夜:平成23年3月29日(火) 19時~21時

葬儀:平成23年3月30日(水) 10時~11時

出棺:平成23年3月30日(水) 11時~

場所:株式会社阿部光林社青山斎場 永犬丸会館

   北九州市八幡西区八枝3丁目1番13号

     TEL093-695-1733

     FAX093-695-1735

※ ご通夜ご葬儀は、仏式(浄土真宗本願寺派)にて執り行われます。

 


第57回卒園式

2011年03月19日 21時26分50秒 | 教育

平成23年3月18日(金)晴れ

 本日は、晴れ渡った明るい日差しに恵まれポカポカ陽気の穏やかな一日。

昨年は福岡県が日本で二番目に早い開花宣言が出ていたのですが、

今年は、まだ開花宣言が出ていませんね。

 園庭のシンボルツリー3本の桜の木もつぼみがぐんぐん膨らみつつあります。

南側のバス通りの真っ白なこぶしの花は、すでに開花しかけております。

 

 だが、丁度、一週間前、まさに「未曾有の国難」と呼ぶにふさわしい巨大地震が、

2011年3月11日午後2時46分ごろ、三陸沖を震源に日本列島を襲いました。

阪神大震災の約1000倍に相当するM9.0のエネルギーで激震が約5分も続いた後、

最大数十メートルの津波が押し寄せ、無数の方々の命や生活が奪われました。

日本本土の地盤が約2.4メートルも移動したというほどの衝撃に、相次ぐ余震、

そして原子力発電所での炉心溶融。被曝被害も発生し、数十万人が避難生活を送るなか、

関東では計画停電が実施され、広範囲で大きな被害が出て緊張の日々が続いています。

皆様、大丈夫ですか?都内でも相当大きく長い時間の揺れがあったようです。

お知り合いに、被害はありませんでしたか?皆様のご無事を心よりお祈りいたします。

毎日、新聞や報道番組を観ながら、ハラハラしながら落ち着きませんね。

福島の原発の状況も刻々と伝えられていますが最悪の事態が起こらないよう願いつつ

被災者の皆さんの一刻も早い復興と、犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。

 

 さて、 第57回卒園式が無事に終了しました。

今日は、第57回☆卒園式 144人の

ご卒園、おめでとうございます!

  早い方々は、8時半過ぎには家族そろってもう登園。

玄関や園庭や教室やホール…

思い出のシーンをしっかり脳裏に刻むように

あちらこちらで家族で記念撮影をしている姿がみられました。

いよいよ10時過ぎには全員が登園し、

10時15分には在園生も少し緊張した表情でホールに入場しました。

 

10時20分には卒園生の保護者の皆様も 殆ど着席し、

その直後に 園長先生と一緒に ご来賓も入場。

 

そして、今日の主役の144名の年長組さんが担任の先生と胸を張って整列。

左胸には、心を込めて折り紙で作った薔薇の花かざりが とてもきれいです。

 

10時25分、威風堂々』のメロディーにのって皆の拍手の中

                  

いよいよ卒園生が入場開始し、丁度10時半から 卒園式開式でした。

 

厳粛な静寂の中、担任の先生が一人ひとりの名前を呼び上げ

緊張した面持ちの子ども達は、元気な返事「はい!」

まず、卒園証書を一人ひとりに手渡しました。

144人の卒園生は、引き締まった表情で、しっかり胸を張り

園長先生に視線を合わせて、お辞儀して、受け取った

 証書を大事に持って…、着席いたしました。

        

ご来賓の近隣小学校の校長先生は、

「卒園生の態度が素晴らしい!すごい集中力!」その上

「在園生代表年中組さんが最後までよい姿勢で態度がとても良いのにビックリ!」

と お褒めの言葉をくださいました。

                            

本当に、在園生(年中組さん)の姿勢が良くて、最後まで

よい態度で、心を込めて しっかり集中して 式に参加していました。

素晴らしい集中力!

お話を聴く態度がとてもよく育ってきています。

 

式の後には、在園生代表年中組さんが

お見送りのPA鼓隊生演奏曲を初披露し、

年中組の保護者の皆様も 初めて演奏を聴き大感激でした。

平成23年度がとてもたのしみです。

               

                      

 過去最高の落ち着いた雰囲気で、和やかに、卒園式が終わり、

園庭でもしばらくクラスごとに名残を惜しみつつ

それぞれ沢山の思い出を胸に刻んで、家路へ!

 

今年は、保護者の皆様のマナーもとてもよく、式中の私語もなく、

駐車マナーをよく守ってださり、お互いに譲り合い、

大変スムーズに良い雰囲気で進行いたしました。

            

ご卒園、おめでとうございます!

6月の第1回同窓会まで、お元気で!

きょうの卒園式のシーンも入れた卒園アルバムは、

そのときにお渡しいたします。どうぞ、お楽しみに!

                         

数々のご協力をいただきありがとうございました。

卒園後も 末永く 幼稚園を「心のふるさと」として

親子でより所にしてください。

折に触れ、子どもたちの成長ぶりを 園長・担任教諭に

ぜひ園へ訪れて お知らせください。

全員の健やかな成長とご活躍をお祈りしています。

                  

 志を高く、大きな夢の実現に向かって、親子で

 元気、勇気、根気、やる気で頑張ってください。

卒園生総数は、

12,712人+144人=12,856人

になりました。

  国会議員・北九州市会議員・大学や高校や中学・小学校の先生や校長先生、

会社の社長さんになった人も、医者・薬剤師・看護師・介護などの仕事についた人も

あるいは、デザイナーや画家やピアニストや音楽家、書家などなど

芸術的な分野でのご活躍目覚しい人もいます。

 

 世界的に目覚しい活躍で名前の知られた卒園生は、

孫正義さん(ソフトバンクホークスのオーナー) 

他にも実業家、建設業、大工さん、有機農業家、エンジニア、仕出し屋、公務員…

様々な社会の分野でそれぞれの能力に磨きをかけて卒園生の皆さんは

個性を輝かせて、世のため人のために才能を発揮し貢献しています。

どの子も、

緑ヶ丘第二幼稚園出身に誇りを持ち これからも胸を張って

元気にそれぞれの道で目覚しいご活躍をお祈りしています

      

いつも、全員の幸せな人生を心からお祈りしています。

 


東日本巨大地震(東北地方太平洋沖地震)義捐金のお願い

2011年03月15日 20時02分52秒 | お知らせ

平成23年3月15日

 以下のようなお手紙を配布しました。金額の多少は、問題ではありません。

 一刻も早く、被災者の皆様が安心して復興に向かえるように応援したいと思います。

どうぞニュースなどを見ながら、、幼児にも、困っている被災者に少しでも助けの手を

差し伸べるよう説明し、困っている人をおもいやる心や、親切心を育てるようにしましょう。

 このたびの私立幼稚園連盟の義捐金のお願いにご理解ご協力をお願いします。

おこずかいの中から50円でも100円でも募金に回すようご指導ご配慮をお願いします。

 

平成23年3月14日

保護者の皆様

北九州市私立幼稚園連盟

会長 村上 順滋

北九州市私立幼稚園PTA連合会

会長 松尾 浩治

東日本巨大地震(東北地方太平洋沖地震)

義捐金のお願い

報道などですでにご存知のとおり、平成23年3月11日に東北・関東を中心に

過去最大の巨大地震が襲い、甚大な被害が出ております。

現時点では被害の詳細も分からず、私どもには、為す術がありません。

ただ、一日でも早い救助と復旧を願うばかりです。

今後、上部団体等が被災地への支援を決定することだと思いますが、

幼稚園は、これから卒園シーズンを向かえ、時機を失すると

義捐金を募るなど支援活動が滞ることになります。

北九州市私立幼稚園連盟と北九州市私立幼稚園PTA連合会は、

いち早く支援活動に動けるよう、下記のとおり義捐金を緊急に募ります。

被災した子どもたちや園の支援となるよう、幼稚園教諭や保護者の皆様に

あたたかい手を差し伸べていただきたく、ご協力をお願い申し上げる次第です。

 なお、ご協力いただいた義捐金につきましては、県私幼団体を通して全日私幼連へ、

また、政令指定都市私立幼稚園団体協議会を通して被災都市へおくらせて貰います。

 具体的な義捐金のご協力方法については以下のとおりです。

  1.締め切り:  第一次園内締め切り 3月24日

  2.方   法: バスの先生か担任の先生に袋に入れて渡す。

     園で集計してから、北九州市私幼連の指定銀行口座に振り込む。

  3.確   認: シール帳(連絡帳)の領収欄に領収印を押印します。

     ご協力くださった方々に、お礼状をお渡しします。

 

  *少しでも早く役立てる方法があれば、上部団体を通さない場合があります。

  *年度が替わっても 4月中旬頃に、第二次を実施する予定です。

 

 

 

 


お雛祭りのお茶会

2011年03月02日 21時00分05秒 | 心を育てる・感性をゆたかに

平成23年3月2日(水)

明日の桃の節句を迎えるというのに、急に朝から先週の陽気が去り

また寒さがぶり返してきています。

三寒四温の時期です。

チューリップも早々と芽を伸ばして、梅の花も満開です。

遠賀川の川土手には、菜の花がチラホラ開花し、黄色い絨毯が広がってきました。

 

朝方は肌寒い日でしたが、園の和室は、早朝からお茶席用の炭を

炉にくべて、お香を燻らせて、馥郁とした雅な雰囲気に包まれました。

 

例年のとおりに桃の花と菜の花を花瓶に活けて飾り、和室のしつらえを整え、

毎年迎える健康と長寿を祈り雛祭りのお茶会を、今年も致しました。

 

和服に着替え いつもとは違ったおしとやかな先生方のお点前により、

日頃は活発な男の子も神妙な面持ちで、

伝統の和の風情『わび・さび』の世界にひたり、

心ゆたかな時間が流れました。

                

理事長先生が、7席の茶席の席主を勤め、

子どもの年齢に応じて、身近な心に響く色々なお話をしました。

           『ひなまつり』のはじまりは?

           『ながしびな』のはなし…

           『お茶』の効用。『炭』の話も…

     そして、『うれしいひなまつり』を歌いました。

        

            うれしいひな祭り

                   作詞:サトウハチロー

                   作曲:河村光陽

         あかりを つけましょ ぼんぼりに

          おはなを あげましょ もものはな

          五人ばやしの ふえ たいこ 

          きょうは、たのしい ひなまつり

 

          お内裏様と お雛様 

          ふーたり ならんで すましがお

          およめに いらした 姉さまに 

          よく似た 官女の白い顔

 

          きんの びょうぶに うつる ひを

          かすかに ゆする はるの かぜ

          すこし 白酒 めされたか 

          あかい おかおの 右大臣 

 

          着物を きがえて 帯しめて

          きょうは わたしも はれすがた

          はるの やよいの このよきひ

          なにより うれしい ひなまつり

       

           

 席入りの、おの演奏♪『さくら』は、主任仰木ミヤコ先生でした。

裏方の水屋の点てだしのお手伝いをくださった先生方、

お運び担当もご苦労様でした。

お菓子の準備や裏方の采配をしてくださった

ベテランの金子正一先生にも大変お世話になりました。

岡部キヨ子先生も山本かよみ先生も金子弘子先生も

お点前くださりありがとうございました。

様々な体験を通じて、こどもたちは

大きく飛躍するターニングポイントを迎えます。

感性を高めるためには、心にひびく環境に浸るのも

非常に大事なことです。

 

今、園の玄関ホールには、美しい『さげもん』や『てまり』がたくさん飾ってあります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%95%E3%81%92%E3%82%82%E3%82%93

この『さげもん』は、いつも慰問や仲良し交流会に年長組がおじゃましている

倫尚会特別養護老人ホーム 『ウェル馬場山』の

http://www.rinsyoukai.or.jp/

デイサービスの高齢者の方々が、丁寧に型紙をあてて、ちり緬の布を切り取り、

一針ひとはり おばあさんたちが心を込めて縫い合わせて

そこへ おじいさんたちが綿をきっちり詰めて、まりの形に

接ぎ合せて 手作りしてくださり プレゼントしていただいたものです。

 

また、柳川にお出かけした方からの寄贈の刺繍の鞠も

玄関ホールの七段飾りのひな壇の横に飾ってあります。

手作りのあたたかい心の込められた素晴らしい作品の数々です。

                

日本の伝統の技の中に、

多くの方々の子どもたちの成長や長命を

真心から祈るそのあたたかい気持ちが伝わってまいります。

どうぞ、園へお越しの節は、お雛様をご覧になり、

その周辺に飾ってある『さげもん』や『刺繍手まり』もゆっくりご覧ください。

一つひとつ色合いや柄が違い、味わいがあり、心ゆたかになります。

「わざわざ柳川に行かなくても幼稚園で幽玄夢幻の雅な雰囲気が味わえる」

と、保護者の方々や、近隣地域の方々もおっしゃって

しばし 親子で足を止めて眺めて、会話を楽しんでくださっています。

                     

最近は、輸入住宅や洋風のモダンなつくりのお宅が増えてきて

全室フローリング、つまり、和室が全然無いお宅もあるようですが、

時々の上で、正座して 心を落ち着ける体験も

日本人なら必要ではないでしょうか?

 

ちゃぶ台で食事するお宅も 殆どなくなり、

テーブルで椅子に座るという家庭ばかりになってきました。

畳の上で座ってかしこまって飲食をする経験も殆ど無くなったようです。

その時の作法が伝承されない時代になってまいりました。

やはり、四季折々の季節感のある伝統行事を大事にして、

肌で感じる感性をゆたかに育てていきたいものです。