平成19年3月30日(金)夜半から激しい雷鳴、
暴風が吹き荒れて一夜が明けました。のち
皆様、安眠できましたか?
熟睡できなかった方が、多かったようですね。春の嵐でした。
で、何かが吹き飛ばされて、ご近所で 窓ガラスが、一枚割れた。
それで、突然 思い出したのですが、
最近は、田舎といえども、いつも施錠をしなくては
物騒な世の中になってきました。
嫁いで約10年間(昭和53年3月~)は、嘉穂郡のご近所で、
夜間 施錠して就寝するお宅など皆無でした。
特に夏場は、クーラーなど普及してない時代で、
皆、どこもかしこも開けっ放しで 蚊遣りを焚き、寝間には蚊帳をつり、
風の通りを良くして、扇風機をゆるくタイマーセットして休んでいました。
そんなのでも、泥棒が入ったなんて話は、全然聞いたことがありませんでした。
所が、約20年前頃、特に平成に入ってから、あちらこちらで、空き巣ねらいや、
洗濯物干し場での女性物の下着の盗難が相次ぐようになり、 こんな田舎でも
用心を怠りなくしなくてはならないようになったもんだ…と、
隣組の集会でも 眉をひそめて嘆き始めていました。
特に十数年ぐらい前からは、派出所からのパトロールの担当者も
「日中でも、在宅中でも、畑仕事をしているほんの僅かの間でも、
必ず、表の通りの方には、施錠をして、庭仕事をしてください。」
と、指導に回ってくださっていました。
ご近所には、高齢の単身の方や、老夫婦だけ暮らしているお宅が増え
瞬く間に、中高年の家庭ばかりになりました。
それで、一軒のお宅が、老主人の入院で、ついに空き家になり、
暫くして まず、風呂場の窓ガラスが割られました。
すぐに、町内会長さんに連絡をしたが、
老主人の入院先も家族の連絡先もわからず、
苦労して、娘さん達の連絡先を調べていただきました。
その間に、どうやら、その家は、非行少年のたまり場に使われ…
気づいて、また、派出所に連絡し、室内を見たときには、
たばこの吸い殻やジュースの空き缶やお菓子の食べ殻など、
室内や廊下や風呂場にあれこれゴミが散乱して、
縁側の方も、ガラスが割られて室内が荒らされていたそうです。
これは、
かれこれ 四,五十年前,米サンフランシスコで,
空家になった住宅にヒッピーが住みつき,
美しい街が荒廃の危機に直面した経緯があったのに似ています。
つまり,たった1枚の割れ窓の放置から起きる荒廃の始まりで,
街は荒れ,無秩序状態となって犯罪は多発し,
地域共同体を作っていた住民は街から逃げ出し,
街が崩壊してゆくという例でした。
たった1枚の割れたガラス窓を対処することから,
窓ガラスを割ったり,ビルの壁に落書きをするなど
軽微な事犯でも,見逃さないという警察の存在があるから,
安全に対する住民意識が変わり、
全体的な犯罪傾向事態は大きく変わらないのに,
地域共同体は、見事に再生できた。
それは,『割れ窓理論』というのだそうです。落書きを放置したり,
『割れ窓理論』により 警察は殺人や強盗など重大犯罪だけでなく,
日本でいう軽犯罪法違反の事犯も
どんどん取り締まるという姿勢を見せたので、
それにより,住民は安心感を自ら作り出すという効果があるともいえる。
『割れ窓理論』(ブロークン・ウインドウズ)とは? |
提唱者は、米ニュージャージー州ルトガーズ大学 ジョージ・ケリング博士 |
米国の警察財団は,1972年,カンザスシティ(米カンザス州)で 『防犯パトロール活動』を, ニューアーク(米ニュージャーシー州)では 『警察官の徒歩パトロール強化』を実施した。 このニューアークの徒歩パトロールが,『割窓理論』の基調となったそうです。 この成果を調べたケリング博士は,警察官の徒歩パトロールには, 犯罪を減少する効果はないが,地域住民に安心感を与え, 住民が警察活動へ親近感を増す効果があることに気がついた。 『割れ窓(割られた窓)』とは,言葉のとおり,建物やビルの窓ガラスが割られて, そのまま放置しておくと,外部から,その建物は管理されていないと認識され, 割られる窓ガラスが増える。 建物やビル全体が荒廃し,それはさらに地域全体が荒れていくという理屈です。 つまり,『割れ窓理論』 このケリング博士の理論は, 米政治学者ジェームズ・ウイルソン博士(米UCLAで公共政策講座)と 共同でアトランティック・マンスリー誌に掲載されました。 これを実践的に採用したのが,ニューヨーク市のR・ジュリアーニ市長だった。 ジュリアーニ市長は,1994(平成6)年1月, NY市警察本部長にブラットン氏を任命。 『割れ窓理論』を採用してニューヨークの街角から“割れた窓”の一掃を図った。 このために警察官5000人を採用し,徹底した徒歩パトロールと 軽微な犯罪の取り締まりに入った。 同時にNY迷惑防止条例の積極的な運用も図った。 ニューヨークのイメージは変わり,落書きで有名なNY地下鉄は, いまではキレイな車体で,安全な乗り物としてニューヨーク市民の足になっている。 ところが、日本では、安全神話の崩壊…
2005年発表された「社会意識に関する世論調査」では、 現在の日本で悪い方向に向かっていると思われるのは「治安」であり、
大きく上回り、まさしく「安全神話の崩壊」を裏付ける結果となっています
(図表-1)。
(「神話」が崩壊したということの証左ではありますが、
「現実」としてどうなのかについては別途詳細な分析が
必要となることは、すでにお判りのことかと思います。)
このような国民不安の払拭は、わが国の喫緊の課題となり、 「安心・安全」というキーワードは、総理の施政方針にも登場し、
自治体のまちづくりにおいても大きな柱になりつつあります。
我が隣組でも、「安心・安全」の概念は、
「安全・安心なまちづくり」イコール「犯罪に強いまちづくり」と考えて
『割れ窓理論』に のっとって 取り組んでいます。
「割れ窓理論」における「割れた窓」は、
縄張意識と当事者意識が低い地域の象徴であり、
犯罪者が気軽に犯行に及ぶことのできる地域の象徴です。
米国のJ.Q.Wilson とG.L.Kelling両博士による理論です。
逆に言えば、割れた窓が1枚もない地域は、犯罪者にとってやっかいな地域
すなわち“犯罪に強い(の少ない)地域”ということなのです。
このようなことを説明すると、「では地域の窓ガラスの取替え発生率と
犯罪発生率が統計的に負の相関があると説明できるのか?」
などとすぐいう人もいますが、そういうことの詮索の時間が無いので、不明です。
この理論の重要な点は、 個人個人の「管理意識」を 「縄張意識と当事者意識」というかたちで
地域に広げるべきであるというところなのです。
もちろん意識だけではだめで、下図のとおり、
ハードな要素とが合わさることが重要です。
ここで、賢明な読者の多くは、「それって昔の日本じゃないのかな?」
と思われるかもしれません。実は正解です。
「割れ窓理論」はかつての日本の地域社会が実践してきた
「向こう三軒両隣」のコミュニケーションに他なりませんね。
「ネットワーク(社会的な繋がり)」「規範」「信頼」といった社会組織の特徴で、
共通の目的に向かって協調行動を導くものとされています。
日本ではやや耳慣れなかったこの言葉も 昨今は、
かなり浸透しつつあるという実感があります
割れ窓理論が規定する「縄張意識と当事者意識」
は、内部結束型 すなわちBondingなソーシャル・キャピタルと
かなり似たものです。
Bondingなソーシャル・キャピタルは、
実は強すぎると弊害があると言われています。
すなわち「排他性」の問題です。
民族的な結束は異民族を排除しようとする運動につながりますし、
組織的には「長いものには巻かれろ」主義の蔓延につながり
活力をそぐことになります。
ソーシャル・キャピタルの議論では、
Bondingよりも「橋渡し型」(Bridging)のソーシャル・キャピタルが
重要と言われています。
犯罪に強いまちづくりのためには 「縄張意識と当事者意識」が重要であるとの「割れ窓理論」と、
その性格は強すぎると良くないというソーシャル・キャピタルの議論。
これらをどこでどう折り合いをつけるべきなのでしょうか?
参考に↓
「割れ窓理論による犯罪防止」小宮信夫監訳、文化書房博文社、2004 「ソーシャル・キャピタルって何だ??」東 一洋、2003 「ソーシャル・キャピタル:豊かな人間関係と市民活動の好循環を求めて」 内閣府、2002 常々思うのですが、見事に美しく景観がよみがえった 所は、則松です。 日頃から、則松金山川コスモス会のボランティアグループの皆様のように 地道に、コツコツと 美しくて 住みやすいまちづくりを考え皆で協力して 子育ての環境を向上させましょう。
もう、園庭のさくらが、7~8分咲きになりました。 4月1日の入園式に、満開で 晴れて歓迎出来ると良いのですが… 年度末の金曜日のせいでしょうか?
夕方の交通が、混雑し、もの凄い渋滞でした。 もしかしたら、あなたもお花見にお出掛け?くれぐれも、お気をつけて… |