私のささやかな日常。
先週のこと。
小倉城庭園で行われた「雅楽の夕べ」にて
舞楽「蘭陵王」を鑑賞したとTwitterでつぶやいたところ、
“蘭陵王って源氏か何かに出てくるのですか?”
という、ご質問をいただきました。
『源氏物語』にも舞楽「蘭陵王」は登場します。
以下は、京都旅行記で以前に書いた内容なのですがこちらに転載しますね。
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舞楽『蘭陵王』
舞を『陵王』、曲を『蘭陵王』といい、
『羅陵王(らりょうおう)』、
『没日還午楽(ぼつにちかんごらく)』ともいいます。
6世紀頃、北斉<昔の中国>の蘭陵の王・長恭(ちょうきょう)は、
容姿端麗だったため、味方の兵士が見とれてしまい戦になりませんでした。
そのため、長恭は異形の仮面をつけて味方の士気を上げ戦に勝利したといいます。
その故事にちなんで、頭上に小さな龍の頭が付き、
吊りあごのある金色の面をつけます。
■『源氏物語』第35帖<若菜下>
朱雀院の五十の賀の試楽では、
右大臣である鬚黒(ひげくろ)と玉鬘(たまかずら)との間に生まれた
三郎君が童舞(わらわまい)として「陵王」を舞っています。
■『源氏物語』第40帖<御法(みのり)>
紫の上による法華経千部供養の折、
ほのぼのと夜が明けてゆく朝ぼらけの中で
陵王の舞が催される場面があります。
頃は3月、桜の花の美しい季節です。
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京都市にある風俗博物館の展示のなかでも
「蘭陵王」の装束を身に着けた人形を見ることができます。
2013年9月撮影。
現在の展示期間は、2013年11月30日まで
オススメの本。
当方のブログ記事でのご紹介
⇒【本】『雅楽「源氏物語」のうたまい』 著:佐藤浩司
「雅楽「源氏物語」のうたまい」