平安時代好きブロガー なぎ です。
2024年5月のこと。
滋賀県といえば…そう!琵琶湖
琵琶湖とそこから見える景色、湖上を吹く風を感じたい…
ということで、大津市歴史博物館を訪ねたあとは、大津港から出て南湖を周遊する外輪船「ミシガン」に乗りました。
かねてより「ミシガン」に乗るのに憧れていたので、ようやく叶いました。
(内装もとっても素敵でした!)
【大津港に停泊している「ミシガン」】
996年、紫式部は父の任国である越前[現在の福井県北東部]へ向かう際、琵琶湖の「打出浜(うちではま・うちでのはま・うちいでのはま)」から船に乗ったといわれています。
また、平安時代の貴族は石山詣をする際、「打出浜」から舟に乗り瀬田川を下って石山寺へ向かったとか。
『枕草子』193段では
浜は うど浜 なが浜 ふきあげの浜 うちいでの浜 もろよせの浜 千さとの浜、ひろう思ひやらる。
と、「打出浜」が挙げられています。
【本文は角川ソフィア文庫『新訂 枕草子 下 現代語訳付き』(清少納言 著/河添房江・津島知明 訳注/KADOKAWA)より引用】
現在の打出浜は埋め立て地を中心としていますが、古代の「打出浜」はもっと南側にあったのだとか。
そんな「打出浜」からほど近い大津港からミシガンは出航します。
大津の街並みは時代とともに姿を変えても、琵琶湖から見える山の稜線はあまり変わっていないはず。
【船上からの景色。湖面と山並みと。紫式部もこの稜線を眺めたのでしょうか】
【4階ミシガンスカイデッキにて。思っていたより風が強くてびっくり】
【遠くに琵琶湖大橋が!(ズーム撮影)】
琵琶湖の最も狭い部分には琵琶湖大橋は架かっていて、この橋より北側部分を北湖、南側部分を南湖と呼ぶのだそう。
【写真右奥は比叡山でしょうか】
【矢印のあたりが唐崎神社ではないかと】
【唐崎神社あたりをズーム撮影】
写真がぼけていて判然としませんが、湖岸あたりに松の木が赤い柵に囲まれているのが見えます。
唐崎は「辛崎」「韓崎」「可楽崎」などとも記された近江国の歌枕。
「厄」や「穢れ」を祓い清める「七瀬祓(ななせのはらえ)」のうちの一ヶ所。
『源氏物語』少女巻において、五節の舞姫のひとりだった近江守・良清の娘は辛崎の祓(からさきのはらえ)をしています。
【トリックアートのフォトスポット。琵琶湖が浮いて見えます!】
【写真中央に見えるのは「近江富士」として親しまれている三上山かしら?】
【びわ湖ソーダとミシガンポテト】
【近江大橋(ズーム撮影)】
【写真中央に見えるのが滋賀県立琵琶湖文化館。現在の打出浜あたり。】
船内では、ミシガンパーサーのみなさまによる観光案内やライブも楽しかったです!
機会をつくってまた「ミシガンクルーズ」に乗りたいですね。
びわ湖にある4つの島を1日で全制覇するという「ぐるっとびわ湖島めぐり」にも憧れます!
【参考】
鈴木一雄 監修/針本正行 編『源氏物語の鑑賞と基礎知識 No,27 少女』至文堂 2003年
秋山虔・室伏信助 編『源氏物語必携事典』角川書店 1998年
琵琶湖汽船
https://www.biwakokisen.co.jp/
滋賀県大津市浜大津5-1-1