nonnon日記
昔、中学校の歴史の教科書で
「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」
という親鸞聖人の言葉を目にしたことがある。
その時は、意味がよく解っていなかった。
最近、その意味を改めて、知った・・・。
「善人」とは、自分を‘善人’と思っている人。
「悪人」とは、自分の中の‘後ろめたい部分’を自覚して
自分の‘悪’を認識しつつ、暮らしている人・・・だろうか。
つまり、「悪人」とは、良心の呵責に苦しむ真摯な人、
とも言える。
それで「善人」が極楽に行けるなら、「悪人」はもっと
極楽に行く資格がある、という全ての人を包み込む教えらしい・・・・。
これは、どうも「何かに似ている・・・・」と思ったら・・・・。
「介護者の心理」に通ずるものがある・・・と気がついた。
ここ5年間、夫のお世話になる病院で、介護仲間奥さんと
お話する機会も多かったが・・・・
「自宅介護」が楽しかった・・・と語る奥さんは、まずいない!
みんな、「体力の限界」を語る。
その時、病人も辛く、介護人も辛い。
優しい介護人が、どこまでも病人の要望に応えていたら・・・
おそらく、介護人が先に倒れるであろう。
介護人が、病人の要望を無視して介護すれば、虐待になり
かねない。
介護人は、いつも「やさしさ」という漠然とした「理想」と
自分の体力・精神力の「限界」とに向き合わねばならない。
介護を経験した人で、自分を「善人」と思う人は、まず
いないのではないか・・・。
「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」
疲れた心には、優しく響く言葉である。