もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.245「介護の葛藤について」

2013-12-12 | 健康・病気

           nonnon日記

昔、中学校の歴史の教科書で

「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」

という親鸞聖人の言葉を目にしたことがある。

その時は、意味がよく解っていなかった。

最近、その意味を改めて、知った・・・。

「善人」とは、自分を‘善人’と思っている人。

「悪人」とは、自分の中の‘後ろめたい部分’を自覚して

自分の‘悪’を認識しつつ、暮らしている人・・・だろうか。

つまり、「悪人」とは、良心の呵責に苦しむ真摯な人、

とも言える。

それで「善人」が極楽に行けるなら、「悪人」はもっと

極楽に行く資格がある、という全ての人を包み込む教えらしい・・・・。

これは、どうも「何かに似ている・・・・」と思ったら・・・・。

「介護者の心理」に通ずるものがある・・・と気がついた。

ここ5年間、夫のお世話になる病院で、介護仲間奥さんと

お話する機会も多かったが・・・・

「自宅介護」が楽しかった・・・と語る奥さんは、まずいない!

みんな、「体力の限界」を語る。

その時、病人も辛く、介護人も辛い。

優しい介護人が、どこまでも病人の要望に応えていたら・・・

おそらく、介護人が先に倒れるであろう。

介護人が、病人の要望を無視して介護すれば、虐待になり

かねない。

介護人は、いつも「やさしさ」という漠然とした「理想」と

自分の体力・精神力の「限界」とに向き合わねばならない。

介護を経験した人で、自分を「善人」と思う人は、まず

いないのではないか・・・。

「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」

  疲れた心には、優しく響く言葉である。

 

 

 

 

 

 

 

 

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