もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.359 「お花見散歩で出会った万葉集」

2021-04-27 | 日記

                                      nonnon日記

 

今日は、用事を済ませたついでに、そこの近くの川べりを散歩してきた。

この川の向こうに、夫が6回入院させてもらった泌尿器科病院がある。

3年前の春も、こんな風に桜が満開だったー。

夫は腎臓から尿路に石が落ちて、40度の熱で引きつけも起こした末、

泌尿器科病院に転院したのである。あの時は確か1か月と1週間の入院。

手術を受けて、尿袋が血尿で真っ赤で・・・。夫は大丈夫なんだろうか、

無事に元の病院に帰れるのだろうか?・・と不安な思いで、付き添いの

合間に散歩した・・・この道、この景色・・・。

あの時、妙に、満開の桜の花びらが、まぶしかった・・・。

そうしてー川べりの公園の中,大きな松の木の前で見つけた1本の立て札。

万葉集の句碑! (凡そ、1300年前に詠まれた句なのである。)

「 君来ずば  形見にせむと  わが二人  植えし松の木

         君を待ち出でむ           万葉集11-2484           」

 悠久の時を越えて、人の’想い‘の温もりが伝わってきてジーンと来た。

(とても慰められたので、その時、メモ帳に書き留めておいた。)

もしもタイムマシーンで3年前のここに戻れたら・・・あの時、不安に

怯えていた私に・・・「大丈夫だよ。あなたは3年後、ここを元気に

散歩しているよ。夫も無事だよ。」と教えてあげたい。

そして今日はまた、反対側の公園で、素朴で胸を打つ句を見つけた。

「 桜花  今ぞ盛りと  人は言えど  われはさぶしも

   君としあらねば         万葉集18-4074         」

(華やかさの中の孤独は辛い・・・もしも大切な人を亡くした人が、

 足を留めてこの句を目にしたら・・・涙が噴き出してしまうのでは?

 ・・・1300年前も今も、人の思いは変わらない・・・。)

 川べりの公園を散歩しながら、こうして満開の桜の花にかける「人の情」

 の温もりに触れる機会をもらえるなんて・・・最高!

この企画を思いついた人は、市の造園課の人?国土交通省の人?

とてもオシャレでセンスが良くて、拍手ですー。

 

 

 

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No.358「リモート面会の再開」

2021-04-10 | 日記

             nonnon日記

夫の入院している病院では、先月からリモート面会が再開した。

病室のタブレットと自宅のスマホが繋がってー。

月に1回、10分の持ち時間。夫はしゃべれないので、その表情を見ながら、

私が一方的にしゃべる。貴重な10分間である。

ーさて何を話そうか?   私にとっては、大きな課題である。

何せ、このコロナ禍の最中である。いつ何時不測の事態が起きて、二度と

会えなくなるやも知れない。(全国の面会人家族の皆さんが、今は、同じ

思いをしておられると思います。)

まずはいつも、娘と孫のビデオをタブレットに録画したものを見てもらう。

・・・夫、目を真ん丸にして一生懸命見る。集中して意識がハッキリした

ところで、私の近況報告。・・・夫、うんうん、とマバタキで答える・・・。

その調子、その調子で、元気でいてね。・・・でバイバイ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コロナのお陰で、1年と2か月、夫の付き添いができていない。

それでも、こうして病状が維持できていることには、本当に感謝である。

いつもの散髪屋さんも、清掃員も入れないので、医療スタッフの負担は

どれだけ増しているかと察しられるけれども・・・

長期療養型の病院で人工呼吸器や大きな手術設備はなく、投薬は必要最小限。

この山の中の空気の良い病院で、いつの間にやら、夫は4年と9か月を

無事に過ごしている。夫は多系統萎縮症という、10年内には亡くなる

という未だ治療法のない病気だけれど、現在、発病後実に13年になる。

喉頭摘出手術をしてあるお陰ではあるが、ゼリーやジュースは今でも

リハビリで摂取させてもらっているので、食べる楽しみもある。

今さらながら、夫にピッタリの病院を選択できて、幸運だったと思う。

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