nonnon日記
ハクが我が家に来て半年が経った。
今ではすっかり‘ウチの猫`である。夜は殆ど私の布団の上で寝る。
それもベターと私のお腹の上に‘張り付いて’寝る。可愛いけれども次第に
太ってきて5キロあるので重たい。それにハクは、抱っこを嫌う。
これは多分、亡くなった父が体が不自由で自宅で過ごしていた期間、
「おいで」と言って布団の上で、手の届く範囲でハクをなでて可愛がっていた
頃の習慣が身についているせいかな、と想像している。・・・・
つまり、私はハクと暮らしながら、ハクを通して、亡くなった父の生活を、
今さらながら、「ゆっくり想像して偲ぶ」機会を得ている。
夫の介護でずーっと走ってきた感があるけれども、ちょっと立ち止まって
振り返る機会を与えてもらっている気がする。
まさに、ハクは父からのプレゼントだ。
話は飛ぶけれども・・・
厳寒期から4月位まで、我が家のベランダに2匹の猫がしょっちゅう来ていた。
「ハクちゃん、外のいい空気吸う?」と居間のサッシを開けて、ハクがヒクヒク
外を覗き見ると・・・ギョッとした暗い表情で、俯いて引っ込むのが常だった。
何なの?と見ると・・・マンションの樹木の幹に巻いてあった麻のテープを
外して保管してあった袋の上に、親子猫らしい2匹がぴったり寄り添って
うずくまって暖をとっているのだ。大雪の日も。
「エー、エー、もっと温かいとこ、見つけられないのー?」
ハクが怯えるので、いつも慌ててサッシをピタッと閉めていたが・・・。
北国の野良猫の過酷な現実を見せつけられた気がした。
可哀想であったが、「あなたたちもどうぞお入りなさい」というほど、
私の余力は無い・・・。(猫トイレの世話が・・・)
「ハクや、あんたも紙一重で、同じような境遇になったかも知れなかったよ。
あの猫たちに、せめて居場所だけでも提供してあげようね。」・・「アア」
「ハク、じいちゃんが老人ホームに入っていなくなって、夜も灯りがつかない
真っ暗な家になって、不安で心細かったよね。
そのあと、ずーっと一緒だった親猫のシロちゃんも死んで、
一人、じゃなくて一匹ぽっちになっちゃって、ずーっとずーっと、
淋しかったよねー.そして九州から北海道に命がけで飛んできたよねー。
一匹ぽっちで、良くがんばったよね。あんたは強いよね、ハクー」
「アア」 (解っているのか、いちいち、ちゃんと返事する猫なのである)
・・ナデナデ・・・ナデナデ・・・(なでなでタイム)
・・・春になり、温かくなったら、その親子猫はベランダに来なくなった。
目がクルンクルンして、毛がふさふさの大小の親子猫だった。
来なくなって内心ホッとした。(葛藤から解放された!・・・
ご飯だけでも・・・でも居着かれてしまっても・・・)
今頃は2匹で元気に駆け回っているだろうか?(と想像すれば気が楽である。)
人生も終盤戦はきついことが多いけれど、ニャン生も大変だよね。
どうせ運命には振り回されるけれど、それでも生きられている内は、
たくましく生きていこうね。
この世で頑張れる期間は、人間でも猫でも、誰にも限りがあるのだから。