河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

リハ学会第2日目

2009-06-05 | 研究・講演
2日目は朝一番にポスターを掲示し、昼前に発表を行った。


ピラティスリフォーマーを用いたCKCトレーニングの運動解析
吉備国際大学保健科学部 河村 顕治

【目的】近年CKCトレーニングがACL再建術後や変形性膝関節症などの膝疾患に応用されている。今回ピラティスリフォーマーを用いたCKCトレーニングについてその効果を検討した。
【対象及び方法】被験者はピラティスインストラクター資格を持つ健常成人男性1名である。リフォーマー上に背臥位になり右足で床面に垂直に設置したフットプレートを押す運動を行わせた。この時スプリングによる抵抗を負荷として上半身が伸び上がるCKCトレーニングが行える。フットプレート表面に床反力計を設置して足部の出力と側面から撮影したビデオ画像を同期して計測してCKC解析プログラム(東総システム)で解析を行った。同時に表面筋電図を記録した。
【結果】床反力はつま先から床反力計に垂直に立ち上がりスプリングが最も引き伸ばされる膝伸展時に最大となった。一方下肢3関節のレバーアームは膝屈曲時に最大となるため股関節、足関節のモーメントはほぼ一定に保たれていた。膝関節伸展モーメントは膝伸展時に床反力が膝前方を抜けており負の値を示したが膝屈曲60度より深い屈曲位ではほぼ一定に保たれていた。表面筋電図では大腿四頭筋とハムストリングのバランス良い収縮が認められたが、膝が伸展するに従いハムストリングの放電が強くなった。
【考察】リフォーマーは比較的安価で単純な器機であるが、大腿四頭筋とハムストリングの共同収縮が得られ、膝リハビリテーションとしては理想的な運動が可能である。特に膝伸展時にハムストリング優位の活動を引き出すためACL再建術後に有用である。

特にACL関連の仕事をしている方に聞いて欲しかったのだが、同じセッションで発表をした整形外科の先生が興味を持ってくださり、発表の後もしばらくお話しをした。
ACL再建術後のリハや筋力評価でいまだ理想的なものは確立されておらず、まだまだ研究の余地はあると再認識した。


2日目であり、発表も終わったので器機展示を見たり、教育研修講演を聴いたりして午後はゆっくり過ごした。
夕方、ポスターを撤去して、静岡駅前に岡大リハ関係者が集まり懇親会が行われた。
函館で仕事をしている石川先生も、他の集まりから抜けて最後には合流した。
たまに集まると他の先生方がどのような仕事ぶりなのかよく分かる。
誰もがいろいろな困難を感じているが、それぞれ元気に頑張っている。
こうしていろいろ話を聞いていると、たとえどのような状況におかれても何とか生きて行けそうに思えて癒される。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする