正直、内容がえげつない・・・
松永太 死刑囚の直接自分では殺人に手を下さないまでも
内妻や他の一家を洗脳しながら自滅に追い込んでいく。
その死体処理法は残酷で巧みなものです。
異名を「天才の殺人鬼」と言われるゆえんです。
「犯罪者心理」などに興味がある方や「心理学の専門職」の
人以外にはお勧めできません・・・。
もう、内容を書くのもはばかれます。
軽々に読む本ではないですね。
お口直しに、松本清張/著「昭和史発掘1」。
これは9巻までありまして、これはその第一巻であります。
この巻は昭和初期の事件を取り上げてその背景に実相に迫ろうという本であります。
『陸軍機密費問題』
『石田検事の怪死』
『朴烈大逆事件』
『芥川龍之介の死』
『北原二等卒の直訴』
当時としては資料をひもといたり、関係者への聞き取り、そこからの推理・・・
しかし、現在ではこの松本清張の推理が事実ではない可能性が高い、というものもあり
それぞれの事件の関係書も同時に読み進めることをお勧めします。
中の『芥川龍之介の死』は、かなり作者の推理が入っております。
特に自殺した芥川の心理を状況証拠で推理するのは、ちょっと無理があります。
しかし、その他の私が知らない事件『陸軍機密費問題』、『石田検事の怪死』
『北原二等卒の直訴』は、なかなか興味をそそるものがありました。
この事件は、「被差別民兵士の軍隊内での差別」が問題となっていて、
私のライフワークにも関わってくるので、深掘りしてみたい事件であります。
ん~、読まずに死ねるか!