みなさん「右翼」というとどんなイメージでしょうかね?
こんな感じ?
私の田舎でも越してきた京都でも見ますね。
実感として昔ほど盛んでなくなったような気がします。
本書ではいわゆる「思想団体としての『右翼』の戦後史」を取り上げております。
「戦後」とは言え、戦前~戦中から辿らなければ「戦後 右翼」も理解できません。
右翼に付きまとうのは「暗殺事件」ではないでしょうか?
歴史上、頭角を現すような事件は1932年(昭和7年)に起きた
元大蔵大臣 井上準之助が当時20歳の小沼正という青年に暗殺されたあたり
からだということです。
三井財閥総帥の團琢磨を暗殺した「血盟団事件」。
そして、日中戦争から太平洋戦争になだれ込むことになった
「5・15事件」、「2・26事件」
これらの暗殺事件の根底にながれる思想は「一殺多生」と呼ばれ、
特に以上に挙げた時代は農作物の不作が続いた地方の農家は
娘の身売りで生計を立てるという非常に困難な時代。
そこで不満のはけ口になったのが「政治家・財閥」といった資本主義社会を
司る面々だった。
「一殺多生」は『一人の命を絶ち多くの命を助ける』といった意味があり
この精神は今の右翼にも通ずる者であるそうだ。
今、やっちゃたら団体ごとつぶされますがね。
長くなりましたが、右翼思想の源流と言われるものは『水戸学』といわれ、
吉田松陰や西郷隆盛に大きな影響を与えたといわれています。
儒学を基盤とした神話や道徳、身分や社会の安定を図るための思想だそうです。
源流から戦中までの流れを見るだけでも昨今の暴力団と区別がつきにくい
今の状況との違いが判るかと思います。
いやね、ちゃんとっていちゃおかしいけれど、「右翼精神」の源流を受け継いでいる
団体もあるのですが、暴力団と密接な関係がある団体があることも事実です。
どうも私としては在野で動くのではなく、国政に打って出て国民の信任を得て
国会で主張を展開すればいいのでは?と思うのですが、
どうも彼らの信念とは相容れないものがあるようです。
本書は著者が「右翼の大物」や「右翼団体」とじかに会ってインタビューをしていて
実態のほどもわかるようになっております。
今、「現在の右翼」を書物で知ろうとするとなかなか難しい中、
「現在の右翼とは何たるものか?」を知る一助になる本だと思います。
この本、読まずに死ねるかぁ!!