これは以前にもこのブログで述べたことですが、私の最後の入院となった
平成25年、初めて「統合失調症」の患者が多い病棟に入院したことがあった。
最初の晩は忘れもしませんが、消灯時間に突然に病室の壁に向かい
「法華経」を唱える男性がいて、さすがに私も眠れなかった。
翌日、担当ナースを呼んで苦情を言った。
それから数日して、その男性がこれまた就寝時に床に仰向けに寝そべったまま
言い放った言葉は、「お母ちゃん、なんで僕を捨てたんや!」と、
ささやくような、しかし、力強く訴えるような声で言っていたのを聞いた私は、
同室のベッドの中で涙ぐんだ。
『これが、障害者を持つ家族の実態なんや』ということである。
私の知るいわゆる「精神障害者を家族に持った人々」の多くにみられて、
私が勤めているような施設へ「お任せ」することが多く、
まだ良い家族で「月一度」、断絶したいが致し方なく来る家族は「半年に一度」や
中には「施設側の求めに応じて、数年ぶり」に来る家族はざらである。
いわば、「障害を負った家族は『お荷物』」なのである。
しかし、私自身障害者であるが思うに「なんで、家族が責められようか」ということである。
障害者の血族は、身内に精神障害者がいると、家族を持っていれば当事者家族は
自分の築いた家族に迷惑を掛けまいと気を遣うのは当然であろう。
しかし、障害者/当事者の心の中は悲しみでいっぱいになる。
それが私の最後の入院になった同室の方の夜中の嘆きである。
「お母ちゃん、何で僕を捨てたんや」という心の声である。
近親者に障害者の有無を問わず、一度考えてみていただきたい。
「その時になったら、私はどうするだろうか?」と。
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