本書の付いている帯には、「小池百合子 東京都知事、座右の銘」と書いてあります。
現在、東京都でコロナの第二波が押し寄せているのに能天気な対応は
本書を座右の銘にしているとは思えません。
てな、毒を吐いて本書の紹介をば・・・。
この本にしばらく買う気がしなかったのは、題名の「失敗の本質」から連想して
「この失敗をしなければ日本が勝っていて、敗戦はなかった。」的な
帝国主義再興論みないなもんかな?と思っていたのですが、
なんのなんの南野陽子!
大東亜戦争の「失敗から見る組織論」になっていって、私は今無職ですが、
組織においての横の連携の不具合や現場を知らないトップの采配などなど、
管理職や平社員にも是非とも読んでいただきたいと思います。
それから「ノモンハン事件」では、「斥候(偵察)」が不十分で敗れてしまい
作戦を立てた辻政信は責任を現場に押しつけて自決させてしまいます。
その辻参謀はこのあと太平洋戦争も現場でも失敗を繰り返してしまいます。
「真珠湾攻撃」は山本五十六の奇襲作戦で成功するのですが
ミッドウェー海戦では作戦が各司令官で周知されていなかったため敗れてしまいます。
そして、情報戦でも日本はことごとく失敗し、情報の重要さよりも「精神論」に終始してしまいます。
情報戦といえば「暗号解読」では、アメリカに解読されて作戦が筒抜けになってしまったことも
重要な敗戦の要因であると本書は語っています。
この本の本文は400字弱と文庫にしては、やや多めですが私はこの本と肌が合ってか
苦も無く読むことが出来ました。
ん~、この本読まずに死ねるか!(内藤珍)