風になれ

大自然のふところで山歩きを楽しむ生活。
いつの日にか、森にそよぐ風になれたら・・

置かれた場所で咲きなさい

2014-10-15 | 薪ストーブ

 渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』を読み終えた。岡山のノートルダム清心女子大学で長く教鞭をとられた渡辺和子さんは現在、同学園理事長を務められている。
 新聞広告を見て、Amazonでポチして買ってから長く机の上に積まれたままだった。読み始めたら一気に読み終えた。短い文章に心に染み入る珠玉の言の葉が散りばめられていて、内容は重かった。



 Bloom where God has planted you. 
 置かれたところで自分らしく生きる、じぶんの花を咲かせる努力をする生き方は若い人にはすごくハードルが高いと思う。置かれたところの理想と現実の大きなギャップに、我が身の不遇を若い頃は強く思ったものだ。僕でも今の歳になると、置かれたところで自分らしく生きる考え方を素直に受け容れることができる。そういう境地の大人になったということは喜んでいいだろう。
 今までできたことができなくなるし、物忘れはひどくなるけど、老いることは悪いことばかりでもなさそうだ。謙虚に素直に、できることなら美しく老いたいものだ。


 今朝は一段と寒い。短パンで過すのもそろそろ終わりかなあ。年寄りの冷や水と言われる前に衣替えをしたほうがよさそう。




花の季節を終えた山にチングルマ

2014-10-14 | 山歩き

 台風一過、すっかり風雨がおさまり、静かな朝を迎えた。
 岡山の自宅に戻り一晩寝ても、心はまだ室堂平、立山連峰、大日連山、剱岳、奥大日岳の虜になったまま。今日から新しい一週間が始まるのに、仕事モードにスイッチが入っていない。スイッチを入れようとしていない、というのが正確かな。


 4年ぶりの室堂平入りだった。前回はみくりが池温泉に泊まり、室堂から一の越、雄山(3,003m)に登り、大汝山(3,015m)、富士の折立、真砂岳、別山、劔御前小舎のある別山乗越まで縦走した。それに比べると今回の奥大日岳(2,611m)までのピストンは楽な山歩きだった。


 秋が深まり、山の花々との出会いはなかったけど、チングルマの綿毛が美しかった。チングルマ(稚児車)の名の通り、綿毛がおもちゃの風車を形作って、花の季節を終えた山に存在感を漂わせていた。山には冬がすぐそこまでやってきている。


奥大日岳から剱岳を眺める

2014-10-13 | 山歩き

 富山県の室堂から台風19号を出迎えるように、夕方、岡山に戻ってきた。3連休は最終日を除いて快晴無風の絶好の登山日和だった。


 雷鳥沢ヒュッテに2泊して、紅葉が終わりつつある室堂平の休日を楽しむことができた。冬毛に生え変りつつある雷鳥に何度も遭遇した。


 日本の山で僕が一番好きな山は剱岳。奥大日岳の稜線からたっぷりと剱岳の勇姿を眺めることができたので大満足した。
 剱岳を眺めると若かった頃の剱岳合宿の想い出が次から次と甦ってくる。何年か集中して剱岳の岩登り合宿をした。劔沢をベースに源次郎尾根、八峰、三の窓、チンネ、池ノ谷の岩場を連日攀じり、剱岳本峰を越えてテント場に帰る日々。合宿が終わると早月尾根を下って馬場島に出たり、大日連山を経て称名滝に下ったっけなあ。


3連休は雷鳥沢ヒュッテ

2014-10-10 | 山歩き

 大型台風19号が近づいてきた。でも予定通り、明朝から富山県に向かう。めざすは奥大日岳。立山室堂、雷鳥沢ヒュッテに2泊して奥大日岳に登る。
 雨に遭うのは確実。ポジティブシンキングの僕は台風が来ればご利益、ご褒美にあずかれると考える。登山者が減り、山小屋や温泉は広く使えるし、登山者の少ない静かな山道を歩ける。山を独り占めできる。
 楽しみだ。


信州・聖高原のりんご『秋映』

2014-10-09 | Weblog
 
 朝起きると、家中、りんごの甘酸っぱい香りに満ちていた。
 昨日、家に帰ったら、注文していたりんごが信州、聖高原から届いていた。りんごの数ある品種の中で一番好きな品種『秋映』だ。
 15年ほど前から聖高原・長野県東筑摩郡麻績村の農園に毎年りんごの発送をお願いしている。カミさんと信州を旅した時にこの農園に立ち寄ったことがこれまで二度ある。毎年、りんごが届くたびにたわわに実ったりんご園ののどかな風景を思い出す。
 この『秋映』という品種は色合いは地味で、無骨で、味は酸味が強くて、噛むとしっかりした歯ごたえがある。古さが漂い、今の時代には不人気かもしれないけど、僕は大好きだ。すっかり『秋映』の味にはまっているので、これくらいの酸味と歯ごたえがないと物足りないくらいだ。
 朝食後にりんご園を思い浮かべながら信州の秋を味わおう。


『iPhone6 完全理解』読んで完全理解できるかな・・

2014-10-08 | Weblog

 空は澄み渡り、気持ちのいい日が続いている。まさに天高く馬肥ゆる秋だ。
 今週末の3連休に富山県の山に入る計画だけど、あいにく台風19号の影響もあり、雨天は確実。雨天決行だからかまわないけど、台風の進路は気にかかる。

 iPhone6に機種変更して2週間あまりたった。機種変更の時、auショップの店員さんにデータのバックアップはご自身で、と言われ、手順通りにしたはずなのに、アドレス帳の移行操作でミスしてしまった。結局、古いアドレス帳を元に戻せず、失意のあまり凹んだけど、今では開き直って「断捨離」と思い直した。
 僕はマニュアル要らずでユーザーフレンドリーなApple社製品を色々と長く愛用している。だけど、今回のおそらく初歩的な操作ミスで(何をミスしたのか未だ解明できていないけど)自信をなくしたこともあり、めずらしくマニュアル本『iPhone6 完全理解』(日経BP社刊)をAmazonでポチして買った。それを家の中で隠れるようにしながら読んでいる。何もウシロメタイことも、恥じることもないのに、なぜか心理的に恥と感じている。この恥の心は日本男児の矜持と喜んでいいのか、アナログおじさんの意固地と悲しむべきか・・。読み終えたからといって、iPhone6を完全理解できるなんてまったく信じていないし。

 三浦綾子さんの歌だけが僕に小さな勇気を与えてくれている。

  平凡なことを平凡に詠ひつつ
     学びしは真実にいきるということ


『北壁に舞う』を読み終えた

2014-10-07 | 山歩き

 長谷川恒男著『北壁に舞う 生きぬくことが冒険だよ』を読み終えた。すっかり古典となった山岳書だ。すでに故人となった長谷川恒男だけど、僕が尊敬する数少ない山ヤの一人だ。ヨーロッパ三大北壁の冬期単独登攀を1977年にマッターホルン北壁、1978年アイガー北壁を完登し、本書は残るグランドジョラス北壁に挑んだ1979年の記録だ。
 緊張で息が詰まるような孤独な登攀。僕はすっかり氷壁や岩壁登攀から遠ざかっているけど、もう一度だけでいいから攀りたいと、つい叶わぬ夢をみてしまった。

 生きるということは大変だよ
 父は私にいった。
 生きぬくことは?
 私が聞くと
 父は笑っていった
 冒険だよ、と。
 そして、父は死んだ。

 よりよく生きようと願い、努力することによって、より人間性を深めることができる。

      (『北壁に舞う』より抜粋)


ピザ窯を作り始めた

2014-10-06 | 田舎暮らし

 日曜日の朝、息子の工房に行き、ピザ窯の基礎工事に着工した。以前、息子夫婦と食事中にお嫁さんのMちゃんとピザ窯を作る話で盛り上がり、窯の形状と設置する場所はすぐに決まった。でもその後、着工できないままだった。
 土曜日に設置場所の土を掘り起こして均し、日曜日にセメントと砂をホームセンターで買ってきて基礎工事を始めた。台風18号の到来で天気が心配だったけど、2回モルタルを作って基礎工事完了。
 これから窯のベース部分を少しずつレンガで築いていく予定。何しろ週末に時間ができたときだけの気ままな日曜仕事なので完成はいつになるかはわからない。年末までにできたら上出来。
 お昼は工房でMちゃんの手作り料理をご馳走になった。栗ご飯にアミと大根の煮付け、食後に紅茶パウンドケーキとコーヒー。どれも美味しかった。Mちゃんの料理の腕が目に見えて上達している。


健康寿命でピンピンころり

2014-10-05 | 健康

 朝、スポーツジムで一汗かいてサウナでさっぱりしてからカミさんと息子の工房に行く。ギターを少しだけ弾く。工房は田舎で隣家から遠く離れているので気兼ねなく下手なギターが弾けるのがいい。これも工房を訪ねる楽しみの一つ。懐かしいフォークソングを口ずさみながらギターを弾いていると一気に青春時代にタイムスリップしてしまう。


 厚労省が1日、2013年の健康寿命を発表した。健康寿命とは介護を受けずに日常生活を支障なく送れる期間を示し、3年毎に数十万世帯を対象とした全国調査を基に推計している。
 それによると2013年の健康寿命は男性71.2歳、女性74.2歳。平均寿命は男性80.2歳、女性86.6歳なので、差し引きした期間の男性9.0年、女性12.4年間は家族や介護施設のお世話になるということ。この推計値を前に神妙な気持ちになった。
 自立して生活ができないために、男性は9年間、女性は12年間、家族や他人様の手を煩わして厄介になりながら生きることになるという現実。介護保険料や介護施設などの環境整備や医学の進歩のお陰でもあるのだろう。
 リタイア後の目標は、健康寿命を一日でも長く延ばしながら、人様のお世話になる期間を限りなく短くして、「ピンピンころり」の人生だ。そのためにも適度な運動、適量の食事など健康管理をしっかりしないといけないと思う。


再生可能エネルギー 電力会社の決断

2014-10-04 | Weblog

 日本のエネルギー自給率はわずかに6%程度。原発再稼働停止により化石燃料依存度が90%以上になり、家庭用で2割、事業用で3割くらい電気料金が上がっている。
 再生可能エネルギー導入を加速させるために固定買取制度を設けたわけだけど、送電網容量の限界を理由に電力会社5社が申込の受入を中断する事態になっている。
 送電網の整備には数兆円規模の設備投資となるし時間もかかる。事実上、固定買取制度による再生可能エネルギー事業はひとまず打ち切りと考えてよさそうだ。他の電力会社も遅かれ早かれ申込受入の中断に追随するだろう。
 6月までに政府から認定された再生可能エネルギー事業がすべて稼働すると再生可能エネルギーの発電比率が2割となるようだけど、電力会社の受入中断によって再生可能エネルギー拡大は減速する。でも、ずさんな事業計画の事業者も多く認定を受けているので、電力会社に責任を転嫁すべきではないだろう。買取制度のスキームそのものに欠陥があったのだから。
 ドイツは再生可能エネルギーで19%を賄っているといわれているけど、電源別で見ると石炭、天然ガス、原子力、水力、再生可能エネルギーのバランスになっている。金と時間がかかるエネルギー政策とはいえ、国民や企業がエネルギー料金の負担増に耐えうる経済性も重要なこと。原子力も含めて各種電源のベストミックスを国家として考えていかなくていけないと思う。九州電力の川内原発再稼働の行方に注目している。


 金曜日の夜、カミさんと近所の居酒屋「成田屋」に行った。定番の湯豆腐、鳥酢、白魚天にスルメイカの糸づくりとあん肝。酒は県北の津山市にある蔵元、多胡酒造場の加茂五葉。涼しくなったので燗酒がたまらなく旨い。呑めないカミさんは栗ご飯。週末の幕開けだ。


エネルギー政策、再生可能エネルギー買取制度の限界

2014-10-03 | Weblog

 四国電力、北海道電力など4社がメガソーラーなど再生可能エネルギー事業者からの電力買取契約手続きを中断するという発表が先月30日にあった。当地、中国電力は含まれていないが、すでに九州電力が受付停止しているので、これで全国5電力となる。
 僕はこの固定買取制度の矛盾と限界について何度もつぶやいてきた。火力発電所でつくる電気は1キロワット当たり10円前後が、太陽光では40円、電力会社がコストの何倍も高い価格で買うという制度が成り立たないことは誰でも想像がつく。特に日中だけの、お天道様任せの当てにならない太陽光発電が増えると電力会社の操業が非効率で不安定になるのも当たり前のこと。民主党政権の時、菅元首相が市民運動家の感性で拙速に欠陥だらけのスキームをスタートさせてしまった。だからこの買取制度の制度が遅かれ早かれ電力会社が買取を拒否する時が必ずくると危惧していた。
 

 太陽光発電を中心に固定買取制度に基づく契約が急増したので、送電網の容量に支障が出るのも当然のこと。この制度でバカ高い買い取り価格が上乗せされた電気代を企業や国民が負担することになると、企業経営に支障がでるし、国民生活は苦しくなることが目に見えている。特に経済弱者、中小零細企業や低所得者層にしわ寄せがくる。
 経産省の試算では制度認定受けたメガソーラーなどが運転をすべて開始したら電気料金に上乗せされる賦課金が2014年度の4倍超にあたる2兆7千億円になると公表した。毎月の電気料金の上乗せ額が2012年度対比で20倍だ。電力会社の送電網の再構築費用まで電気代にオンされたら、国内での事業活動は成り立たなくなる。再生可能エネルギーの導入の拡大に反対はしないけど、早い段階で国民負担、企業負担の適正化がバランスした制度への変更が求められる。
 原子力発電がゼロになり、天然ガスなど追加的燃料費が毎年3.6兆円も増えている今、2001年につくられたエネルギー基本法も論じられなければいけない。原発再稼働問題も含めて、無資源国日本のおける電源のベストミックスの国民的な議論が必要だ。現実の姿はエネルギー政策の目標である「経済性」「安定供給」「環境への対応」の三つすべてに反しているのだから。


御嶽山の噴石 自然の猛威

2014-10-02 | 山歩き

 捜索活動の進展により、刻々と伝えられる御嶽山の被害状況の大きさに悲しみが深まる。噴火によって御嶽山の山頂付近には大量の噴石が猛スピードで降り注いだようだ。噴石の猛威、自然の破壊力に驚く。
 ある生存者の方が記者会見で、岩陰に隠れて噴石の落下から身を守ったと言われていた。生死を分けたのは体にあたった噴石の大きさや打ち所の損傷の差ということなのだろう。


 昨年の7月、濁河温泉から御嶽山に登り、大滝村に下った。山頂付近には多くの登山者の笑顔と歓声で溢れていた昨年の記憶と今テレビに映し出される火山灰と噴石だけの無機質な光景との落差に驚愕する。
 陽光に包まれて美しい紅葉の季節の楽しい時間が一転して修羅場に変わった状況を思うと深い悲しみを覚える。運悪く被害に遭われた方々に対してあらためて心よりご冥福をお祈りします。


想定外の事象に対する覚悟

2014-10-01 | Weblog

 9月が終わり、はや10月。サラリーマン生活を長く続けていると1年を事業年度で捉える癖がつき、9月が終わると事業年度(4月1日~翌年3月31日)の半分が終わってしまったと思う。
 そして上半期を振り返り、下半期に思いを巡らせる。売上高、経常利益ともに業務計画未達は確実。需要減少傾向の厳しい経営環境のもとでどうやって生き抜くか。日本の中小企業の多くが同じ悩みを抱えて日々事業活動を続けているはずだ。


 木曽御嶽山の噴火災害は痛ましい。自衛隊をもってしても有毒ガスの影響で捜索搬出作業が思うように進まない様子だけど、早い被災者搬出を願っている。
 手軽に誰でも3000m級を楽しめる山の代表格だった御嶽山の噴火災害は火山国・日本に噴火予知や予測の限界を見せつけられた感じがする。
 東北大震災と大津波もそうであったし、広島の安佐南区での土砂災害も同じ。あれだけの大津波も局所的な大雨も想定をはるかに超えることが起きる現実。
 噴火の想定レベルを厳しくしたら火山国の日本で自由に山登りできる山岳地帯が狭められ、窮屈で、山歩きの楽しみが少なくなってしまう。
 世界的に見ると日本は平和で、安全で安心な暮らしが確保されているけど、それは紙一重で、想定外の事象に対する覚悟や悟りも必要な時代に生きているのかもしれない。