日曜日NHKFM「×(かける)クラッシック」で、ピアニスト館野泉さんの左手が奏でるシベリウスの「樅の木」が流れていた。
この曲、シベリウスの作品で最もメランコリーな作品で、北欧というより日本的な愁いをたずさえた抒情曲だ。
そんなメロディーを頭に巡らせながら、年の瀬の青葉の森を歩く。なかでも鈎取地区はモミの大木が多く、樹齢は二百年を優に超えているものもありそうな巨木が繁っている。冬のモミの森は、あるいは北欧のような雪を頂いた姿が似合うのだろう。当地では、先週積もった雪がすっかり消えている。
広葉樹はすっかり葉を落とし、目に映るのはエバーグリーンのモミやマツたちだ。
色を落とした広葉樹の木立にわずかだが、イイギリの真っ赤な実がいまだ房をたわわに垂れている。
あまりおいしくないのか、カラたちはやってこないようだが、何でも屋のヒヨドリくんたちがにぎやかにその赤い実をうれしそうにひと粒ずつついばんでいた。
厳冬を迎えてもたくさんの実をつけているから、ヒヨドリたちは食うに困らないだろう。
広葉樹の森の入り口で、群れで枝を飛び交うグループがいた。
カメラでようやく確認された姿かたちから、冬鳥として渡来するアトリさんたちだとわかる。彼らはどんな木の実を食べているんだろう。写っていたのは♀のほうだ。
雪のあまりふらないこの地方では、まだまだ十分すぎるエサを確保できるのだろう。アトリ以外の冬鳥たちはもうやって来ているのだろうか。
森の看板には、ジョウビタキ、ツグミ、アオジ、マヒワ、カシラダカ、ヒガラ、コガラ、キクイタダキなどが案内されているが、前にミヤマホオジロも来ているよ教えてくれたバードウォッチャーがいたので足繁く通いたい。
クリスマスも過ぎたというのに、わがザックにはいまだクマ鈴が取り付けられていて、静かな冬の森にチリンチリンと澄んだ音を響かせる。場違いかもしれないが、今年は特別にオッカナイ年だったので、尾をひいている。
クマさんたちは、もう冬眠穴で眠りについたのだろうか。クマ鈴が彼らの眠りを誘うヒーリング音になってくれればと願うばかりだ。
腹ペコのクマさんたち、よいお年を!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます