かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

野鳥たちの知能について

2023-12-25 17:51:59 | 日記

買い物帰りに、一羽のカラスが道の真ん中にいて、向こうからやってくる車を避けようとピョンピョンと跳ねながら路肩に向かい、その場所に立ち止まって過ぎ去る車を見ているカラスくんに出会った。

何をしているんだろうと見ていたら、路上に1個の黒いオニグルミの実が放置されていた。

「はは~ん、またやってるな。」とすぐに状況を把握した。近所の森のカラスくんたちのこの行動は、これまでに何度か目撃している。

カラスくんは、自分の力で割ることができないかたい殻をもったクルミの実をどこからかクチバシにくわえて来て、車が走ってくる路上にその実を放置し、車のタイヤの力を借りてクルミの殻を割ってもらおうとしているのだ。

野鳥の知能は様々だというが、カラスは野鳥の中でもトップクラスだと言われ、ヒトにしたら7歳の子供程度だとのことであるが、はたして今の都会に暮らす子供たちにそのような術でクルミの殻らを割ることができるのだろうか。あるいは、大きな石を落として殻を割ろうとすることはできるかもしれないが、自分ではできないことを他人、それもおそろしいヒトの運転する車に依存して目的を遂げようとする知能は、7歳の子供レベルでは思い浮かばないのかもしれない。

野鳥の知能は脳の大きさと体重との相関関係にあるそうだが、それに関した計算式を当てはめればカラスが7歳なのに対してスズメは2歳程度なのだという。果たしてそうなのだろうか。スズメとほぼ同じ大きさのカラ系のシジュウカラやヤマガラたちは「言葉」を話して、さまざまなコミュニケーションをとっているという研究結果もあり、毎日ベランダに遊びに来ている(というよりは、時々撒いてやる玄米目当てにやってくる)スズメたちを観察していると、彼らも何かを「オシャベリ」しているようだし、常に周囲を気にして危険から身を守ろうとする所作はとてもヒトの2歳の行動様式には思えない。

冬にベランダに米を撒いて彼らの食事行動を観察していると、ときどき不思議な光景に出会う。10羽ほどやってくる冬の仲間たちが8割方米をたべているころ、誰かが危険を察知したようなしぐさで飛びたつと、残りの仲間も一斉に飛びたちお米は少しだけ残される。

はじめ、お腹がいっぱいになったから後で食べようと飛んでいくかと思っていた。

だが、カラ系の野鳥研究者がTVで話されていたカラ系の仲間のある行動のことを思い出した。

それは、集団でえさをついばんでいるとき、ある個体が「天敵が近づいている!」とニセ情報を仲間に知らせ、仲間がみんな逃げ去るのを待ってから、残ったエサを独占するという行動をとっていたそうだ。

もしかしたら、ベランダにやってくるスズメたちにもこのようなずる賢い個体がいて、米が残り少なくなる頃合いに、何者かに襲われるようにわざと飛んで、それにつられて仲間が逃げた後に、こっそりまたやってきて残りの米を独占しようとしているのかもしれない。

残った米は1時間も経たぬ間にすっかりなくなっているのも分かっているし、それを食べに来るのは少数の個体であることも、あるいはカラ系にみられる高等戦術と同レベルの行動もスズメたちがやっているのかもしれない。

もしそうだとすれば、スズメにも個体差もあるだろうが、とてもヒトの2歳児のずる賢さではない。野鳥たちには、人知の及ばない高レベルの知能が備わっているのだろうか。

 

 

 

    

 いつもやってくるスズメ君たちの一羽。理知的な表情をしているので、ずる賢いのはこの子かもしれない。それにしても丸々としているなと思うが、スズメは冬になると羽根の間に空気を入れた防寒着の着ぶくれスタイルになるということだ。誰に教わるのだろう。

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