昨日の朝、何気なくNHKBSプレミアムで星宿海の映像が流されていた。中国黄河の源流、寧夏回族自治区(ニンシャホイ族自治区)にある無数の池沼をたずさえた地域。下の地図で言えば、銀川の上流あたりの標高4000mを超える地域で長年外国人立ち入り禁止だったとか。そんな場所さえあることを知らなかったが、夜になると満天の星がその無数の鏡のような沼に映し出される光景は、この世のものとは思われない。まさに、星を宿す海だ。
たとえその場所に行き着いたとしても、その情景を目にすることができないのだろう。映像は、たぶんドローンのような機材で撮影されたのか、小高い山が周囲にあるわけではなさそうで、沼を俯瞰しなければ、決してあのような映像は生まれないのであろう。この目でそんな風景を見られないとしても、許されるのならば中国の奥地、高地、高原、草原、池沼をめぐってみたいものだが、日中間の軋轢やナショナリズムの台頭というよからぬ雰囲気が立ち込めており、安心して旅をできない気持ち。
日本文化の源流にあたる漢字と黒髪のかの国の文化と自然にもっと好奇の目を向ければ、かの国の魅力に取りつかれ、かの国の人々との友好を深め自由に行き来し続けることができるのだろう。まだ、深田久弥さんや井上靖さんが生きていた時代のほうが、西域を自由に歩けたようで、なにがどうなって、こういう情勢になってしまったのか。生き難く行き難い世の中となっている。宮沢賢治さんの「どんぐりと山猫」でも読んで、みんな冷静になっていただきたいと考える今日この頃。
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