かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

トスカニーニの年末

2017-12-26 05:14:37 | 日記

NHKFMの朝は、4日間の「トスカニーニ変奏曲」、昨年は、「フルトヴェングラー変奏曲」同じころに同じように涼しい石垣島を歩きながら聴いた。1年前は、昨日のよう。

「アルテュール トスカニーニ」、1867年、徳川幕府が倒れた年に生まれ、1957年、オイラが生まれた後に亡くなったイタリアの名指揮者。以前は仲間だったムッソリーニがファシストに変容したことに抗してイタリアを飛び出して、戦時下から戦後は、アメリカで指揮棒を振って、アメリカで命を落とした反骨の人。

テンポが速く、いつも緊張感を持った気迫あふれる演奏が残されているが、オイラが生まれてはじめて買ったLP版も、たしか、彼のベートーベンの1番と2番だったな。

40年を経て、今という時に聴く彼の音楽は、変わらずハイテンポと潔いリズム感で、テンションが高まり録音の古さを忘れさせてくれる。

今朝は、Youtubeのお世話で、戦時下の1941年に振った「第9」を聴いているが、笑っちゃうほどヒステリックで天地が張り裂けそうなくらいの鳴動に、思わず「驚天動地」という四字熟語が飛び出すほど。ピカソの「ゲルニカ」の世界観と一致するような演奏ではある。ファシストに向けて「第9」という大砲を鳴らしているのか。

彼が身を寄せた自由な兄弟国アメリカのかの親分は、現代という時代に、新たな火種を点し、仲間はずれの道を選択し、2017年を締めくくろうとしている。もう一方の共和国も、仲間はずれの道を選択しつつあり、自由の究極である生命に、大いなる不安をもたらしている。シラーの「神が与えた不思議な力によって、すべての人は兄弟となる」の詩の理想から、どんどん離れていくような、世界情勢。

トスカニーニが存命なら、かれら国に向けてどのような「第9」砲を鳴らすのだろう。怒って下さいマエストロ。

   

2017年7月28日 葛飾帝釈天のハスの花 2018年の平和に向けて祈ろうぜ






 

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