人は誰しも、諍いや争いなどのトラブルを嫌うのではないでしょうか。
そのトラブルの多くは、ちょっとした言動が原因であったり、それが契機となって人間関係がこじれたりしているようです。
かねてより、【心 de 経営】ということを基本に、永年コンサルティングをして参りました。「de」は、フランス語の前置詞で、英語にしますと「of」に近い意味合いであり用法であると認識しています。
「de」を、英語の「of」の意味で用いますと「心 of 経営」、すなわち「経営”の”心」となります。「de」を、そのまま、日本語の「で」に置き換えますと「心で経営」となります。
ここでは、後者の「心で経営」に重点をおいて、経営に限らず、人間関係における「心づかいのあり方」を、平素の体験から感じるがままにを徒然に記述してまいります。それにしても、他人に優しくするには、自分に厳しくなければならないことを痛感しています。
物事や人の心には多面性があります。お届けするブログが正論であるか否かは、皆様のご判断にお任せしますが、参考にして下さいますと幸いです。
■2 フライトアテンダントのマーケティング戦略
あるフライトアテンダントが、このようなことを言っていました。
「乗客のサービスは、会社側が用意した飲み物やブランケットなどをマニュアル通りに行っていたのでは、他の会社のサービスを上回ることができません。お客様が、今なにをお望みなのかを、こちら側が推し量って、こちらから声をかけることです」
その人は、さらに付け加えました。
「それで終わってしまっては、尻切れトンボになりかねません。そのお客様が、喜びを感じ、ご満足をして下さることが肝要なのです」
心づかいのできる人は、相手の立場を理解し、思いやることを当然のようにしています。フライトアテンダントとして、会社がやろうとしていることをするのは、当然のことでありますが、これはマーケティングでいえば「プッシュマーケティング」に相当します。
一方、お客様がなにを求めているのかを推し量り、声をかけるということは「プルマーケティング」に繋がります。
慣れないうちは、相手の気持ちを推し量ったつもりでも的外れとなることがあります。
日曜日の人気アニメに「サザエさん」という長寿番組があります。そこで登場するサザエさんが、横断歩道に立っていたおばあちゃんの手を取って、横断歩道をわたるアシストをしました。
ところが、そのおばあちゃんは、横断歩道を渡りきり、やれやれと腰を伸ばしたところだったのです。せっかく、相手に優しくしたサザエさんの行為が、かえって徒になってしまいました。
相手の立場を充分に理解しないで行った、私のある失敗をご紹介しましょう。
電車の優先席に私が座っているときに、杖をついた男性が私の前に立ちました。隣の若者が席を譲る気配がないので、私が席を立ちました。
ところが、その男性は「結構です」と言って座ろうとしません。遠慮しているのかと思い、再度薦めると、別のところに移動をしてしまいました。
はじめはなぜなのか解りませんでしたが、同世代の人間から、席を譲られるという、施しを受けることに、その男性は気分を害されたのかもしれません。
心づかいの気持ちを持って、親切にしたり、やさしくしたりするのは、相手が置かれている立場を単に推量するだけではなく、相手の気持ちの理解も必要なのですね。
(ドアノブ)
◆【経営コンサルタントの育成と資格付与】