茶ツバキ科;花言葉は追憶。茶は中国南西部原産の常緑低木で、初頭のころ、葉腋に小さめの白色五弁花の花が1~3個下向きに開く。濃い黄色の蕊が特徴で良い香りがする。茶の芽摘みは、産地によッては相違があるが、都会地方では八十八夜前後の4月中旬から五月下旬に行われ、以後一カ月以上の間隔を置いて摘む。摘み始めから半月位のものを一番茶と呼び最上とする。植物の名は「茶」であり、「お茶」は飲むものについてしか言わないので「お茶の花」という言い方はない。「茶の花や乾ききつたる昼の色 桃 隣」「茶の花や裏門へ出る豆腐売り 蕪 村」「茶の花に藁火の埃かゝりけり 西島麦南」「茶の花のするすると網流しをり 波多野爽波」「茶の花に押しつけてあるオートバイ 飯島晴子」「茶の花や明かりが点けば日のしまひ 上田五千石」「茶の花や青空すでに夕空に 嶺 治雄」「茶が咲けり働く声のちらばりて 大野林火」「茶が咲いて肩のほとりの日暮れかな 草間時彦」「茶の花や母の形見を着ず捨てず 大石悦子」「茶が咲いて木綿のような伊予言葉 三木正美」「製茶の香大和づくりの門入れば 大島民郎」「焙炉場の窓竹林に明け放つ 斉藤佳織」「仏壇の中も茶ぼこり陪炉どき 大森積翠」「もみあげて針の如くに玉露かな 水内鬼灯」「むさしのも果てなる丘の茶摘みかな 水原秋桜子」「茶を摘むや胸のうちまでうすみどり 本宮鼑三」「茶を摘めるしずかな音が移りゆく 西島陽子朗」「摘し茶の匂いあふるる籠を抱く杉浦すず子」「茶摘唄木陰は深くなりにけり 外側飼虎」「被の中に浮き沈みして茶摘笠 畠山譲二」「茶畑に川露やさし奥三河 文挟夫佐恵」。(茶畑は 襷かけなり 茶摘み笠 ケイスケ)