千両(チヤラン科)花言葉は、富、可憐。千両によく似たものに、藪柑子、万両がある。夏、枝先に黄緑の小花が群がり咲いたものが、冬に入ると小珠果して赤熟する。艶やかな葉のつけ根に鮮赤色の実をつける常緑の低木。「千両、満了」と対で呼ばれる万両のほうが葉の下側に実をつけて、控えめで女性的なのに対し、千両の方は実が株のあちこちにたつぷりつき、独特の華やぎを漂わせている。何れも正月に使われる。藪柑子と万両は、共に、ヤブコウジ科の植物で葉の下に実がある。千両よりも万両の方が実がやや大きい。自生しているが、いずれも観賞用として庭園に栽培されている。「千両や深息といへど短か息 石田波郷」「いくたび病みいくたび癒えき実千両 石田波郷」「名は千両といふ明るくて寂しくて 有働 亭」「雪すこしとけて珊瑚か藪柑子 及川 貞」「万両の一房の実を楽しまむ 遠藤 はつ」「千両の実をこぼしたる青畳 今井つる女」「半日にして千両の啄ばまれ 木内彰志」「山より日ほとばしりきぬ実千両 永田耕一郎」「いにしへを知る石ひとつ実千両 伊藤敬子」(店先に 千両万両並ぶ 師走かな ケイスケ)