七草;若菜;七草粥;薺;繁縷:(ハコベ;ナデシコ科)花言葉は、繊細な美しさ。正月七日、七草粥を炊き込む七草で、芹;薺;御形;繁縷;仏の座;鈴菜;鈴代の七つである。ごぎょう、母子草、仏の座は、たびらこ、のこと。鈴菜は蕪。鈴代は、大根のことである。旧暦一月七日といえば、雪の下から、すでに春の草がもえ始めるころで、これらの草を若菜といい、若菜摘みをした。若菜を摘んで入れる籠を若菜籠という。七草粥を食べると万病を除くと考えられて、平安朝のころから始まつた。正月最後の行事。今では簡単に野に出て七草を摘む場所もなく、八百屋の店先に出回ることくらいである。「ななくさの薺のみ萌え葛飾野 能村登四郎」「乏しきを言わず若菜の色めでよ 文挟夫佐恵」「美しき湖上の虹や若菜摘む 鈴木花蓑」「江戸の香の七草籠の提げこころ 河野柏樹」「俎板の染むまで薺打ちはやす 長谷川かな女」「薺打つ音をも聴かず住み古りぬ 杉山岳陽」「薺粥碗のうつり香よかりけり 鈴鹿野風呂」「わが摘みし芹の香めでて七日粥 斉藤道子」。正月の特別料理も食べたが、腹八分目の自分には、七草粥で食休みの必要もなく、古式に副う七草を見送る事とした。(松過ぎて 三度の食は 御飯なる ケイスケ)