カーネイション;和蘭石竹;和蘭撫子。ヨーロツパ原産のナデシコ科。和蘭から観賞用に輸入され和蘭撫子,和蘭石竹の名もある。現在は温室栽培で一年中見ることができる。葉はの日の贈り物として習慣も定着している。Ⅰmほどの茎の頭上に5弁花の白、赤、ピンク色の八重咲で香もある。「ケビンいまカーネーションがびびびびと 阿波野青畝」「灯を寄せしカーネイションのピンクかな 中村汀女」「カーネーションの鉢を抱えて自衛官 城間信子」「娘に貰ひ母に供へてネイション 守屋和子」。(今朝カーネイション仏前に添えるは吾一人 ケイスケ)。雨が今朝から一日中降るとの気象予報に庭の水遣りが省けてる。気象庁の予報では、午後雷注意報も期待出来るとの事、庭の鉢植も朝から水を受けている。一日中の降雨を期待しよう ケイスケ)。
桐(ノウゼンカズラ科科)花言葉は、高尚。原産地は不明だが、各地で古くから植えられている。高さ10~15m。はは対生し、大型の広卵形で3~5烈する。5月、葉に先立って枝先に大型の円錐花序を立て、長さ5~10㎝の淡紫色の筒状唇形花を多数咲かせる。花に芳香があり、遠くからもよく目立つが、和歌では「桐の葉」「桐の落葉」が秋の季題として詠まれているだけである。連俳時代に入ってから、」「諸島のおとなひ低し桐の花」(路通)など、高い梢で壮麗に咲く高貴なたたずまいに焦点が当てられている。桐は成長が早く、女の子が生まれたときに植え、嫁に行く時に箪笥の用材にしたという。また、幹は一度元から切るとよく生長するというが、「きり」はこの切るに基づく。◎高い所で天に捧げるように咲く姿から、死者の国への思いを誘うところがある。紫といふ高貴な花色や紋章のイメージで、格調の高く詠まれた句が多い。桐箪笥への連想から、母や女子への思いが託される花でもある。「熊野路に知る人もちぬ桐の花 去来」「桐咲いて昔に還る道のごとし 大野林火」「安曇野の日がやわらかし桐の花 柴田白女」「桐の花うす化粧して老いんかな 原コウ子」「おろかゆゑおのれを愛す桐の花 佐藤鬼房」「桐の花古都洛陽をおほりけり 松崎鉄之助」「桐の花河口に眠りまた目覚めて 金子兜太」「桐咲いて雲はひかりの中に入る 飯田龍太」「桐の花半日遊び一日病む 清水径子」「花桐や雲を重ねて南部領 小原嘆葉」「三日月のあと暁の桐の花 神尾久美子」「どの家も庇突き出す桐の花 広瀬直入」「高ければ想ひの速し桐の花 角川照子」「桐の花水の匂ひの男過ぐ 関戸靖子」「遺されし母はけむれる桐の花 鍵和田柚子」「桐の花水匂ひの男過ぐ 関戸靖子」「「桐の花盥に曲がる山の鯉 伊藤通明」「水うすくゆきわたりたる桐の花 正木ゆう子」「遠ければ女人とおもふ桐の花 田中裕明」「桐の花たそがれ色に須磨離宮 土井たか子」。(この空に続く明るい桐の花 ケイスケ)。
ゼラニューム;天竺葵;フウロソウ科;花言葉は,厚い信仰、決意。フウロソウ科の多年草。南アフリカ原産のモン(紋)テンジクアオイを中心に交配を施した園芸品種。多肉質で草丈は30㎝くらい。初夏から秋、長く伸びる花茎に直径2㎝ほどの五弁の花を、丸くたくさんつける。色は赤、白、ピンク、バラ色など豊富。四季咲き性がある。茎や葉に独特の香りがある。「ゼラニューウム鉢の十個も転居の荷 松永 和」「ゼラニューム紅しあまりに焦土広し 殿村菜絲子」「ゼラニューム午後の雲満ちひろがるも 有働 亨」「ゼラニュウム男二人の真昼どき 和田耕三郎」。(ビル棲みの昼夜灯してゼラニューム ケイスケ)。
クリンソウ(サクラソウ科)花言葉は、物思い。中部地方以北、北海道、本州、四国山地の湿地に多く生え、観賞用にも栽培される。長さ40~80㎝の長楕円形で、縁に不規則な鋸歯がある。5~6月、葉間からたかさ40~80㎝の花茎をを伸ばし、上部に径2.5センチほどの花を数段に分けて輪生する。花は紅紫色又は白色で、花冠が5裂舌筒状花。重なって咲く様子が塔の九輪に似るので「九輪草」の名がある。日本のサクラソウの種類の中で最も大形。根元に集まる葉は長楕円形で、その中央に40~80㎝の花茎を立てる。5,6月頃白色または紅紫色の花を5~7段に多数輪生する。その様子が塔の上の九輪に似ているのでその名がある。「九輪草万の蕾のゆれかはし 小路紫渓」「九輪草九輪つらぬくきつね雨 岡部義男」「九輪草僧のうしろを子が走り中澤水苞」「九輪草屈めば峡の小学校 長谷部房江」「雨吸つて一山深し九輪草 堀田澄子」「牛去りし泉に赤し九輪草 あふれ相場遷子」「九輪草径きれぎれに沢あふれ 原 柯城」「九輪草山気のここに凝りし紅 角川照子」。(九輪草夕月よりも濃き紅 ケイスケ)。
石楠花;しゃくなぎ;せきなん(ツツジ科ツツジ属)花言葉は、威厳。常緑低木のうち、ツツジ類を除くもの総称。ヒマラヤから中国大陸南部の山岳地帯で驚くほど多数の種が分布しているように、かなり高い山あるいは谷間に咲く。花は漏斗状鐘形で先が5裂、色は白、淡紅色のほか、園芸品種には、黄、赤、紫、もある。葉は皮質で長楕円形、表面は深緑色で光沢があり裏面は淡褐褐色の密毛を生ずる。丈は低くて2メール前後,自生もするが、山地では地表に幹が複雑に曲がりくねったりする。「石楠花に躍りゆく瀬や室生川 水原秋櫻子」「石楠花の岩落っ水は淵をなす 石橋辰之助」「石楠花や姉妹に繊きをんな偏 河野多希女」「石楠花の夕べの壁炉くべ足して 伊藤敬子」「溺れよと石楠花を縫径細き 谷内 茂」「石楠花や奈落は霧の大蛇品 平田青雲」「一山は石楠花彩に室生道 福原実砂」「石楠花や主峰の薙(なぎ)の男ぶり 水沼三郎」「石楠花を咲かせ定年きらきらす 中山和子」。(石楠花や水櫛あてて髪しなふ ケイスケ)。
菖蒲;白菖;菖蒲髪。花言葉は、心意気。サトイモ科の多年草で、池や川の緑地に群生する。根茎は水底の泥中に横たわり白または淡赤色で伏しが多い。初夏,花茎のなかほどに黄緑色の小花を棒状に密生。葉は長剣状で50~90㎝、明瞭な中肋ある平行脈が走り、その艶々しい緑には高い芳香剤があり、端午の節句には菖蒲湯にする。根茎を乾かして菖蒲根とよび、健胃薬にする。白菖はショウブの漢名。白昌とも書く。古名はアヤメだが、アヤメ科のアヤメなどの類とは葉の形が似るだけで別種。「しゃうぶうをも水巻となす川辺かな 立 圃」「あやめ生ひけり軒の鰯のされこうべ 芭 蕉」「あやめ草足に結ばん草履の緒 芭 蕉」「あやめ草綾の小路の夜明けかな 青 藍」「夜蛙の声となりゆく菖蒲かな 水原秋櫻子」「菖蒲剪つて盗みめくなり夕日射 石田波郷」「乾坤に根引の菖蒲よこたはる 三橋敏雄」「菖蒲髪して一人なる身の軽さ 田畑美穂女」「友舟へ白蒲一本ながしけり 星野恒彦」「京へつくまでに暮れけりあやめぐさ 田中裕明」「菖蒲葺く千住は橋にはじまれり 大野林火」「軒菖蒲胸に切先ふれて葺く 杉山岳陽」「安達太良の見ゆる家ごとの菖蒲葺く 秋山岳陽」「軒先に胸に切先触れて葺く 石田あきこ」「幸さながら青年の尻菖蒲湯に 石田あきこ」「菖蒲湯の香に染みし手の廓どと 及川 禎」「花菖蒲ただしく水にうつりけり 久保田万太郎」「白波のごとくはるかに白菖蒲 山口青邨」「咲き垂れて背丈定まる花菖蒲 秋元不死男」「きれぎれの風の吹くなり菖蒲園 波多野爽波」「花菖蒲紺まひるは音もなし 中島斌雄」「菖蒲田の夕日に浮かぶ花となりぬ 松本たかし」「あやめ咲く野のかたむきに八ヶ岳 木村蕪城」。(おもわざる夕月一葉地にけむる ケイスケ)。
ハナミズキ;アメリカ山法師(ミズキ科)。花言葉は、公平にする。落葉低木。来たアメリカ原産で、花は同属のヤマボウシに似ているので、アメリカヤマボウシともいう。高さ5~10m。4~5月葉に先立って小枝の先に白色の4枚の大きな苞葉に包まれた花が開く。その中心に、緑黄色の小花があつまる。園芸品種には、総房苞が淡紅色のベニバナハナミズキがある。明治45年、当時の東京市長の尾崎行雄氏が桜の苗木をワシントン市に起草した返礼として大正4年に送られたというゆかりがある。「花水木おぼれれぬように咲きにけり 阿部完市」「曇天にささやきそめし花水木 中村完一」「曇天にささやきそめし花水木 中本森一」「花水木咲きて水木は平らにす 八木沢高原」「田仕事のふたりひとりや水木咲く 森田公司」「水木咲く森あれば神おわすらし 佐藤ゆき子」。(夕暮れを浮かれあるき花水木 ケイスケ)。
水芭蕉;花言葉は変わらぬ美しさ。サトイモ科の大形多年草。本州以北の山地の湿原に群生する。尾瀬沼が歌にもなり有名である。5,6月にかけて雪解けの湿原に高さ20㎝ほどの密集した花穂が出るが、花そのものよりも花穂を包む雪白色の仏炎苞の美しさが賞でられる。葉が芭蕉に似ている。「石狩の雨おほつぶに水芭蕉 飯田蛇忽」「花と影ひとつに霧の水芭蕉 水原秋櫻子」「水芭蕉ひらきし花の一頁 平畠静塔」「噴煙や鉄の匂ひの水芭蕉 中村苑子」「漂ひて老年は過く水芭蕉 六本和子」「帆をあげて天界めざす水芭蕉 三嶋隆英」「流水は光となれり水芭蕉 倉橋羊村」「水芭蕉終りし花を水が過ぐ 加藤瑠璃子」「一花咲きたちまち百花水芭蕉 たむらちせい」「水芭蕉苞は子を抱く母に似て 畑内節子」「しろがねの水の中より水芭蕉 斎藤信義」「花と影ひとつに霧の水芭蕉 水原秋櫻子」「水芭蕉ならぬ話や水鏡 阿波野青畝」「七採の日がふりかかり水芭蕉 岡田日郎」「野兎わたる濁りすぐ消ゆ水芭蕉 沢田緑生」「水芭蕉よりも明る君等かな 大澤博}「陰陽の陰のまぶしき水芭蕉 渡辺恭子」「影つねに水にながされ水芭蕉 木内玲子」「稜線は雲を隔てて水芭蕉 寺岡稜子」「水芭蕉溜息とどくほどの距離 吉田朱籠」「水芭蕉水を抜けゆくほどの距離 吉田朱鷹」「水芭蕉水を抜け行く水の音 橋上 暁」。今は昔いつ頃か忘れたが、愚生も一人で尾瀬沼を訪れた記憶がある。壮大な尾瀬沼集中した水芭蕉の群落の美しさに驚いた想い出がある。(水芭蕉ふたつの夢見相似たる ケイスケ)。
虫取撫子:花言葉は、青春の愛。ナデシコ科の一年草でヨーロツパ原産。花の下の茎から粘液を分泌するので、虫取撫子とか蠅取撫子とよばれているが食虫植物ではない。草丈30~40㎝で、濃紅色のちいさい5弁花を散房状につける。現在は野生化して暑い日の河原などに見かける。「小町草花壇に盛りすぎにけり 高野素十」「野仏の供養に虫取撫子も 松崎鉄之助」「虫取撫子の宮司の家のがらんどう 大木孝子」「奥津城に刈り残された小町草 加藤射水」。(太陽に午の衰へ虫取草 ケイスケ)。
スズラン(ユリ科;スズラン属)花言葉は、純愛;希望。日本、朝鮮半島、中国、シベリアの山地.高原に自生する。10~20㎝の花茎を伸ばし、初夏に鐘状の白く小さな花を多数つける。花にはよい匂いがある。可憐な花が愛されて庭などにも栽培されるが、毒をもつ植物である。「とりすてゝ鈴蘭の香の地に浮く 飯田蛇忽」「鈴蘭の花山塊を川離れ 飯田龍太」「鈴蘭に山住みの日々脂粉なし 吉池紅於子」「鈴蘭の一束だれもゐぬ木椅子 小野恵美子」「鈴蘭咲りいていさかは岩もあわれなり 北原白秋」「鈴蘭の葉をぬけて來市花あわれ 高野素十」「鈴蘭の谷や日を漉く雲一重 中村草田男」「すずらんのりりりりりりと風にあり 日野草城」「鈴蘭の花山塊を川流れ 飯田龍太」「鈴蘭でまろき山頂牧をなす 大島民郎」。(雨を見て眉重くなる鈴蘭の花 ケイスケ)。