川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

鳥甲(とりかぶと)山

2009-08-21 17:18:29 | 出会いの旅
 8月18日(火)晴れ
 高山すみ子さんから電話がありお宅にお邪魔する。昨日大玉のスイカをいただいたばかりなのに今朝収穫したばかりのナスなどたくさんの野菜を持っていけといわれる。
 25日が64回目の命日になる「満州」で死んだ二人のお子さんの冥福を祈って仏壇に線香を上げさせてもらう。
 うれしかったのはすみ子さんの娘さんと孫の雅是(まさゆき)さんにお会いできたことだ。雅是さんは身長が190cmもあるがっちりとした体格、まさに偉丈夫だ。惚れ惚れとしてしまい、一緒に写真を撮らせてもらった。今秋、結婚式の予定という。
 すみ子さんの笑顔がこぼれる。自慢の孫にどんな花嫁さんが来てくれるのだろう。今度お訪ねするときの楽しみが増えたというものだ。
 カツヨシさんを福島の阿弥陀堂に案内するといったらすみ子さんも同行してくれることになった。福島はすみ子さんの故郷でご両親のお墓もある。
 こうして思いがけないことに4月以来、再び福島を訪れ、すみ子さんとの濃密な時を過ごすことができた。実正寺の裏山のご両親のお墓にも詣でた。お盆にはこられなかったらしく喜んでくださった。

 昼近くにカヤの平に着く。信州大学が管理するすばらしいブナ林を散策したあと昼食、昼寝。ミズナラの巨木の下にシートを敷き、3人が並んで寝る。至福のときだ。
 奥志賀林道、雑魚川林道と緑のシャワーを浴びながら秋山郷に入る。「のよさの里・牧之の宿」に着いたのは4時半。
 ぼくが秋山郷を訪ねるのは3回目だがこの宿に泊まるのは初めてだ。われわれの経済力ではやや高く(9600円)敬遠していた。泊めてもらってこんなにすばらしい宿はそうはあるまいと思った。
 母屋の後ろに10軒ぐらいの分家があってそれらが長い回廊で結ばれている。僕らは一番手前の市エ門宅。大きな囲炉裏を切った板の間と寝室が二部屋。田舎に帰ってもこんなに落ち着くところはない。それにこの広大な施設に今夜世話になるのは私たちだけ。お盆が過ぎて急に秋風が吹き始めたのだろう。
 露天風呂に入る。真正面に鳥甲山が全貌を見せる。峰峰がいくつも連なる険しさを感じさせる山だがまるで丸木位里画伯の屏風画を観ているようだ。飽きることなく長湯をしていると新潟から来たという相客があった。近くにキャンプしに来たらしい。
 夕食は母屋の食堂だがこれがまたすごい。分家の何倍もある大囲炉裏の周りに広がる板の間。窓際の食卓で暮れ行く鳥甲山を眺めながら山の幸に舌鼓。高山さんにいただいた野菜も料理して出してくれる。スイカは冷やしてくれて宿の方ともどもご馳走になる。

 美酒に酔ったのか8時ころには夢の中。