5月15日(水)晴
両国の回向院で行われている善光寺出開帳に出かけました。
人出で大変かと思われたのですがそれほどでもなくゆっくりお参りすることができました。
善光寺に行ってもお目にかかることのない「絶対秘仏」の阿弥陀如来像にお参りすることができました。出開帳時専門の仏像だといいます。(なんだか面白いですね)。このご本尊との結縁によって極楽浄土へ導かれると多くの人びとが善光寺詣りをしたのです。
僕も何回か、長野の善光寺を訪ねました。「戒壇めぐり」をして真っ暗な回廊を進み、「極楽の錠前」に触れたこともあります。これによって阿弥陀如来との結縁を果たし、極楽往生が叶うと信じられていたのです。出開帳でも体験できるようになっています。
竹の回廊の美しい念仏堂2階は「祈りの場」。
被災地からの菩薩像が出開帳。
手を合わせていると旧知の若麻績敬史師が気づいてくれました。出開帳期間中「祈りの場」の隅に座して人びととともに祈られているようです。
やおら席を移して、参詣中のすべての人びとに向かって「祈りの場」の意味と諸仏の紹介をしてくれました。
寺も檀家の多くも津波に流された「要害観音堂」の「木造聖観世音菩薩立像」も瓦礫の中から発見されたといいます。錫杖をもった観音さんです。
若麻績さんは錫杖を持って衆生救済に駆け回る地蔵菩薩信仰とダブった観音さんの姿ではないかと話されました。お地蔵さんは三途の川原で石を積む子どもたちを鬼から守ってくれる菩薩です。大津波でいのちを失ったたくさんの子どもたちのそばにいてくださる方です。
弟を喪ったときに聞いた三途の川の説話を思い出して心がキュンとなる心地がしました。
出開帳が終わったら元の地(陸前高田市)に帰られるといいます。すべてが流されてしまった地だからこそ、供養の祈りが求められるのでしょうが、さてどうやって…?住職も檀家も居られないとすれば。
今回の出開帳は「東日本大震災復幸支縁」と銘打たれています。
わたしたちの人生にまたとはあろうとは思えない大災害に直面して僕のようなものでさえ「供養」や「祈り」という行動に無縁ではなくなっています。
皆さんはどうですか?気が向いたら両国・回向院にお出かけになってみてください。19日までです。
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