心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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遅れてるぅ

2015年12月01日 | 母のこと
今日は早めに母の処に行って、前から頼まれていた家具の移動をした。今、コタツの上に置いている電動ミシンを別のテーブルの上に置くために、コタツのそばにある細長い棚を居間の入り口に移動。
他の部屋にしまっている折りたたみのテーブルを持ってきて、棚が置いてあった場所にテーブルを置く。
その上に電動ミシンを置く。
さらにその手前には、前に買ったまま母のところに置いてあったカシオのキーボードを持ってきてほしいというので、それも他の部屋から持ってきて置いた。

コタツの上がスッキリし、大きなひとりがけのソファに座っている母が、ちょっと横を向くと脇に置いたテーブルの上のキーボードとミシンに手が届くようになった。これでわざわざ別の部屋に行っていじることをしなくてもよくなった。
以前から母に電動ミシンを買ってあげたいと思っていたのだが、今年の秋に生協の宅配で注文した。最初はわたしが使おうかなとも思ったが、わたしが使うのは一体いつになるの? といった感じだったので、一番必要な母が使うことに。
きっと前から欲しかったに違いない。古いミシンはもう処分するつもりで車庫に持っていったからね。
チクチク手縫いで、痛みをこらえ、服の直しをしたりする母を見て、これはもうミシンしかないでしょ、と。

ミシンは長年使ってきている母のこと、すぐに新しいものにも慣れたようだった。
やりたいことや直したいものは考えれば次から次と浮かんでくるようで、それでも痛みが出ると困るから自分でも加減しながらリメイクしているみたい。

キーボードの方は、人差し指1本で何かの歌を歌いながら(童謡とかね)、その音を手探りで探して出していた。ちゃんと曲になっているとすごく嬉しいみたいで、わたしが行ったときに披露してくれたことがある。わたしがいない時に楽しむようになっているみたい。
鍵盤をきらきらした目で見て押している母を見ていると、いいおもちゃを与えたなあと思う。弱い力で押しても音が出るから、母にはちょうどよいのだ。

そんなこんなで家具の移動をしたあと、ちょっと休憩。
食事の支度をする前に、母とテレビを見ていた。
するとゴスペラーズの北山さんが脳腫瘍で活動休止のニュース報道が出ていた。そしてその後、北山さんがさだまさしの娘さんと結婚していたという報道に
「えー、そうだったの? 知らなかったわあ。あのさだまさしの娘さんと?」
とびっくりした声で言うと
「遅れてるぅ、とっくに知っていたよ」
と母が得意そうな顔で言った。

〈遅れてるぅ〉という声がすごく大きかったので、母の得意げな気持ちがわかった。その様子がおかしくてしばらく二人で笑った。
まぁ、芸能ニュースに関してはわたしは母の半分も知らないだろう。いつも先を行く母だ。
「こういうのをいち早く必死に覚えて人に教えようとする人もいるけど、こっちはまぁなんとなく覚えているだけだよ」
と、ちょっと謙遜してみせていたが、内心は鼻高々だったに違いない(笑)