ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




大学を出た年ですから・・・もう15以上も前のある晴れた日、僕は中野にある、とある小ぢんまりしたリハーサルスタジオの入り口にいました。

スタジオは地下にあり、エレベーターはなく、僕はえっちらおっちらと階段を使って機材を降ろし、重たいスタジオのドアを開けたのです。スタジオにはとあるロックンロールバンドのメンバーが僕を待っていました。その日は、そのバンドの新しいバンドメンバーを決めるためのオーディションだったのです

中に入ると、メンバーは遊びで出していた音を止めて、僕も「どうも」とか「こんにちは」とか挨拶をしたような、しなかったような(笑)。唯一覚えているのは、もの凄いラスタヘアーの(笑)ボーカルの人が、「ん?前に、・・・どこかで会ってるよね。」と言い、僕は「・・・?いや、たぶん無いと思いますよ。」と答え、彼は「そっか・・・。あれ、でも何だか初めて会った気がしないな。」と言って、がはは、と笑ったことです。

オーディションの後、どういうわけかメンバーと赤ちょうちんに飲みに行き(笑)、ほどなく彼らの新しいアルバムのレコーディングを手伝い、その途中で正式にバンドにメンバーとして入ることになりました

そしてその後すぐ、数年に渡る、ツアーに次ぐツアー生活が始まります。勿論、会場はライブハウス、そしてクルマ移動ね(笑)。コースターという椅子の一切倒れないクルマに、僕らはギュウギュウに機材を押し込み、ローディさん達と一緒に10人乗りに10人(笑)、目一杯ギュウギュウに乗り込んで、北海道から九州まで、真夏でも真冬でも、全国をひたすら走る。ライブをする。走る。ライブをする。走る、エアコン壊れる、走る、エンジンから煙出る、走る、走る、走る・・・。時には汗だくのライブが終わって、シャワーも浴びずに、そのまま次の土地へ5時間とか、6時間とか。そうだ、博多でのライブを終えて、そのまま18時間走り続けて東京に帰ってきた、なんてこともありました。きっちゃねーなー(笑)。しかもツアーに出ても今みたいに、散歩とか観光なんて、まるで頭に無かったです(笑)。演奏してなけりゃ、あとはひたすら飲んでるか、飲み疲れて寝てるか(笑)。今やれと言われても・・・たぶん無理。もう身体が無理(笑)。あれは凄いですよー。でもね、今思えば、全部、楽しかったかも(笑)

今日、レコーディングをしてきたのは、そんなロックンロール・トラベリン・バンド、SHADY DOLLSのボーカリストでもあった写真の彼、大矢郁史(オオヤユウジ)の、今のバンドのものでした。僕は、昔からユウさん、と呼んでいます。

バンドに迎え入れてもらって程なくの、スタジオリハーサルの時でした。

ユウさんが、「うーん、川村・・・ケンだよな。」と、笑いながら僕の顔をジロジロ見るので、「何、何ー。」と言うと、突然「よし!」と言ってパン!と手をたたき、

「今日から名前、『ケン坊』、にしよう。『ケン坊』って感じがする。いい?ケン坊で?」

と、笑いました。「『ケン坊』・・・ですか。はぁ、まぁイイですよ。」

そうなんです。僕を「ケン坊」と最初に呼んだのは、名付け親(笑)は、実はこのユウさん、なんですよ

 

久しぶりの再会、書きたいことも沢山あるけど、長くなるし、今日のところはひとまず胸にしまっておきます。僕の拙い文章で書くと、なんだか陳腐になってしまうような気もしますので(笑)。お蔭様でレコーディングは、とても良い感じで終えることができました。この作品のリリース情報等に関しましては、分かり次第またこちらでもお知らせしますね

今日もまた、とっても、いい一日でした。

いやー、でもこの写真の僕、半日で3曲のレコーディング後だけに、なーんか疲れた顔してるなー(笑)。これは一刻も早くぷしゅして直さなきゃ(笑)。直らないか(笑)。でも楽しかったから、いいんだ。しかも、10何年ぶりに思いもよらず撮ってもらうことができた、ユウさんとの一枚なんですから。皆さんからしたら、ただの「疲れたおっちゃん(おっちゃん、言うなー(笑))」の写真かもですが、僕にとっては・・・大切な一枚、なんですよ。

バンドの皆さんとも記念に、一枚。左から、アンジーのベーシストでもある岡本さん、僕、UNSCANDALのギターでもあるコエちゃん、ユウさん。

ではー。



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