【花が風に揺れる様を舞う蝶の姿にたとえて】
中米カリブ海に浮かぶ西インド諸島原産の熱帯性常緑樹。沖縄県では県花のデイゴ(梯梧)、サンダンカ(三段花)とともに〝沖縄三大名花〟の一つに数えられている。渡来時期は明治初年といわれ、各地の公園や庭園に植えられて初夏から秋まで長く咲き続ける。
花色は赤みがかったオレンジ色のものが多く、花びらの縁にはフリルのように縮れた黄色い模様が入る。花弁の中央から長い10本の雄しべと雌しべの花柱が突き出す。その花が風に揺れる様を蝶が舞うように見えることから「大胡蝶」の名前が付いた。写真のように花の色が鮮やかな黄色いものもあり「キバナノオオゴチョウ」と呼ばれる。葉は小葉が左右に整然と並ぶ2回羽状複葉で、ネムノキの葉によく似る。
マメ科ジャケツイバラ(蛇結茨)属で、学名は「カエサルピニア・プルケリマ」。属名のカエサルピニアは16世紀のイタリアの医師・哲学者で、ピサ植物園の園長を務めた植物学者、アンドレア・チェザルピーノ(1519?~1603)の名に因む。主箸に『植物分類体系』(全16巻)。種小名プルケリマは「大変美しい」を意味する。
英名は「ピーコックフラワー」。遠目では花全体がクジャクの羽のように見えるからだろうか。カリブ海の最東端に浮かぶ小国バルバドスではオオゴチョウが1年中咲き乱れる。オオゴチョウはその国で「プライド・オブ・バルバドス」(バルバドスの誇り)と呼ばれ国花になっている。国の紋章の中央にもオオゴチョウの赤い花が2つ描かれている。(写真は沖縄県南城市の「おきなわワールド」で)