く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<タイワンモクゲンジ(台湾木欒子> 無数の黄花が目を引く〝金雨の木〟

2016年10月26日 | 花の四季

【ムクロジ科の落葉高木、台湾から40年ほど前に沖縄へ】

 ムクロジ科モクゲンジ属(ケールロイテリア属)の落葉高木。台湾原産で、日本には1980年ごろ緑化植物として沖縄に渡ってきた。沖縄では那覇市内など各地の街路樹や公園などに植栽されている。モクゲンジは中国原産で、日本には元禄年間(1688~1904)に渡来したといわれる。別名「センダンバノボダイジュ(栴檀葉の菩提樹)」。このタイワンモクゲンジは台湾に自生するモクゲンジということでこの名が付いた。

 属名の「ケールロイテリア」はドイツの植物学者で、交雑技術の研究で知られるJ.G.ケルロイター(1733~1806)の名前に因む。成長が極めて早く、台湾では大きくなると樹高が20m前後にも達する。ただ、日本では高くてもせいぜい5~7mほど。花期は9~10月ごろで、枝先に長さ30~60cmの長い円錐花序を付け、小さい黄色の5弁花をいっぱい付ける。

 その様子を金色の雨にたとえ、欧米では「ゴールデン・レイン・ツリー(金雨の木)」と呼ばれる。ただ開花の期間は短い。花の後、果実が大きくなるにつれてピンク色の果皮が目立つように。ブーゲンビリアの花びら(苞)に似た紙質の袋状で、鈴なりになって紅葉のように樹冠を覆う。葉が落ちた後も樹上に長く付いたままで、初めて目にする人は花と間違えることも多いそうだ。

 果皮の中には真っ黒な種子が数個入っている。直径5ミリほどで、極めて硬いことから数珠やネックレスの材料として利用されるという。タイワンモクゲンジは台湾北東部の宜蘭県、中南部の嘉義県などの「県の木」になっている。(写真は沖縄の世界遺産「今帰仁城跡」で)

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