く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<グンバイヒルガオ(軍配昼顔)> 葉形が行司の軍配に似ていることから 

2016年10月28日 | 花の四季

【ツル性の海浜植物、アサガオと同じサツマイモ属】

 海岸の砂地を好む海浜植物。熱帯~亜熱帯地域の東南アジアや南太平洋、南アフリカ、中南米など世界各地の暖地に分布する。日本での自生地は主に沖縄諸島や九州の宮崎県以南だが、大分県や高知県などでも群落が確認されている。葉の形に特徴があり、円形または広楕円形の葉の先端に浅い切り込みが入る。その形が相撲の行司が持つ軍配に似ていることから「軍配昼顔」の和名をもらった。

 ヒルガオやハマヒルガオと同じヒルガオ科だが、ヒルガオ属ではなくてアサガオと同じサツマイモ属。花の形も漏斗状でアサガオによく似る。花色は中心が濃い紫色で、その周りはピンクがかったうすい紫色(ハマヒルガオは中心の色が白)。ただアサガオが1年草なのに対し、こちらは多年草で、茎が砂地を這って群落を形成する。茎は長いものでは10mほどにも。沖縄地方ではかつてこの長い茎をものを縛る紐として利用したという。この植物の沖縄での方言名は「アミフィーバナ」。花を摘むと雨が降るという迷信に由来するそうだ。

 果実はアサガオに似て中に4つの種子が入っており、茶色の毛に覆われた種子は潮流に乗って各地に運ばれる。日本でも太平洋側では茨城県、日本海側では京都府や福井県、山形県などで発芽が確認されているという。ただ東日本では寒くなると枯れて冬越しはまず無理なようだ。宮崎、高知、大分の各県では絶滅危惧種。大分県ではNPO法人「おおいた環境保全フォーラム」が中心になって、「日本の渚百選」で県内唯一の群落地、元猿海岸(佐伯市)で環境保全活動に取り組んでいる。(写真は沖縄県の古宇利島で)

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