私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

雄略の大悪の証し(その2)

2015-10-19 09:56:05 | 日記

 3番目の兄「八釣皇子}を切り殺した雄略天皇は、次に、すぐ上の兄の坂合黒彦皇子(同母兄)にも、
 「あなたが眉輪王をそそのかしましたね」
 と問いただします。坂合皇子も、やはり、黙って何も語らずでした。又もや天皇の“忿怒弥盛<フンドイヤサカリナリ>”と書いてあります。ますます怒りが募ったという意味です。一緒にいた眉輪王も一緒に切り殺そうと思ったのですが、念のために眉輪王に、“按劾所由<ソノヨシウカウガヘトヒタマフ>”、按とは{罪を問いただす}ことで、劾とは{罪を取り調べる、さばく、}ことです。要するに、詰問します。それに対して眉輪王は言います。
 「私は決して安康天皇を殺そうとは思いませんでした。ただ父の仇を打っただけなのです」
 と。それで、その場は、一応、治まります。しかし、その権幕からして身の安泰を疑われた坂合皇子は眉輪王と伴って、家臣の円大臣<ツブラノオホイマウチギミ>の宅<イヘ>へ逃げ隠れます。
 それを知った雄略天皇は使いを大臣の家に送り
 「坂合皇子と眉輪王の二人を差し出すよう。」
 にと伝えますが、円大臣はその使者に応えます。
 「今までの歴史では、家臣がいつも王室に逃げて行って助けを求めていたのですが、此の度は、反対で、王が臣の宅へ逃げ隠れておいでになられました。この二人の皇子たちは私を“深恃<フカクタノム>でのことだと思います。そのような人達をどうして易々とあなたの元に送り出すことができるでしょうか」
 と。

 さてこの結果どうなりましょうや???