前回に引き続き、夏休み中のこと。
マー君一家が パパの実家に行った時のお話です。
マー君、パパ、おじいちゃん の 親子三代で お出かけを したら
水中の生き物 が展示 してあるコーナーがあったんだそうです。
すると 覗いたマー君が すぐに
「あっ、タイコウチ だ!」 と 言い、
続けて
「タイコウチは 呼吸管 で 呼吸 してるんだよ!」 と
まるで普通のことのように言ったというんです。
ところが パパもおじいちゃんも その生物を知らず、
ましてや 呼吸管が何なのかもわからなくて、
<なんのこっちゃ!?> ってな感 じになったらしい。
ふたりの大人が 揃って
「ん? タイコウチ?」 (成虫の体長 30~35mm)
聞いたこともない名前を耳にして
すぐに説明が書かれた表示に目をやり、見比べて確認。
そしてやっと
「あっ、これのことか!」
「ホントだ~!」 となって、
マー君の知識に感心 したんだそうです。
普通なら 大人が子どもに教えてあげるところで しょうけど、
パパとおじいちゃんは逆に 教えてもらっちゃったんですね~!
いくつになろうと 学べるのは良いことだもの。
「夏休みにいい勉強を しちゃった~!」 って喜ばなくちゃいけませんね。
ただ、
<ハマっ子>の私でも知っていたのに、
都会育ちというわけでもなく、外でいっぱい遊んでいただろう 昔の男の子が
ふたり揃って知らなかった ということには 少々驚きがありました。
それ以上に驚いたのが、
この時まで本物を見たことのないはずのマー君が知っていたこと。
しかも <呼吸管> という言葉まで口にしていたなんて …!
疑問を本人に確認 したところ、
大好きな 図鑑 で覚えたものだということがわかりました。
そして <呼吸管> は、
<タイコウチ>を知っていれば 特徴的なものだということもわかりました。
私もそこまでは覚えていなかったので 再認識! マー君に感謝です。
〔 興味を持つ って 大事なことね~! 〕
押し付けではないからこそ 自然に学べる!
そんなことの大切さを また教えられた気がしました。
現代っ子は こういったものに出合う機会が少ない。
塾だゲームだと 外で遊ぶことも少ないし、近くにそんなものが住む場所もない。
田舎がない子もいるし、田舎といえども 必ずある場所だとも限らない。
近くにあったとしても 探 したり じっくり見たり …
そんなことをする機会や興味があるか という問題もある。
知れば興味が湧く子だっているかもしれないのに、
知らないほうが普通 となってしまっていることが 勿体ない気が します。
ちなみに、
タイコウチ (学名:Laccotrephes japonensis) とは、<太鼓打> と書き、
カマキリのカマに似た前足を交互に動かす姿が、太鼓を叩いているように
見えることから付いた名だということです。
英語では Water scorpion(ウォータースコーピオン)。
まるで <水中に住むサソリ> のようだということから その名が付いたとされています。
<太鼓打> って 漢字で書けば 「なるほどね!」 と納得もできるけれど、
言葉で発すると <う> をはっきり言わず、<タイコーチ> と聞こえることも多いから、
初めてその名を聞いた時は きっと聞き返すだろうと思うほど理解 しにくいと思います。
けれど 英語の意味との両方を知っていれば、もう忘れないんじゃないかしら!?
彼らは 意外にも カメムシの一種だそうで、ミズカマキリに近い仲間。
分類では カメムシ目・タイコウチ科に属する水生昆虫の一種となるようです。
住み家は 平地の小川や池、水田、沼など、浅い水域。
水底に潜んだりもするそうですが、普段は 尾部から伸びた長い呼吸管を
水中に出 し、呼吸を しながら水草の陰などに潜んでいることが多いそうで、
前を通りかかった獲物を 前足を使って捕獲 し、口針から消化液を送り込んで
溶けた肉質を吸入する という 体外消化を行うため 生きたものしか食べないそうです。
こういった水生昆虫の多くは飛翔することができるので、
捕まえた場合、水槽には蓋を しておかないと、脱走されることがあるようで、
手でつかむと、脚を縮めて死んだふりをするそうです。
ついでに、水生昆虫 とは
生活史の中の ある部分を 水中か水面で生活する昆虫のこと。
川に住んでいるものは <川虫>などとも呼ばれるそうです。
水環境の悪化で絶滅の危機に瀕 しているものも多い とのことで、
ずっと住んでいるものには タガメ、ゲンゴロウ、ミズスマシ、アメンボウ などがおり、
トンボ、ゲンジボタル、カゲロウ、カワゲラ、トビケラ、ユスリカなどのように
幼虫時代を過ごし 飛び立つものもいます。
<ミズスマシ> くらいの小さなものなら触(さわ)れるかもしれないけど、
<タイコウチ> なんて グロテスクで 絶対無理! (成虫の体長 数mm~20mm)
「差別 してごめんね!」 という気持ちだけはあるんだけど …!
〔 子どもの頃なら 触れたのかしら!? 〕
そう思ってみたのだけれど、たぶん無理だったと思います。
絶対触(ふ)れない辺りで見ている分には大丈夫そうだけど、
こんなのが飛んでたら … と思っただけで ゾ~っと します。
昔はいろんなものを飼ったけど、昆虫は どうも あまり得意ではありません。
〔 そういえば マー君はどうなんだろう!? 〕
書いているうちに疑問が湧きました。
〔 確かに知識はあるけれど、果たして触れるのかしら!? 〕
〔 こういう子 って、けっこう 駄目だったりすることもありそうよね。 〕
〔 マー君の場合、案外 大丈夫そうな気もするんだけど … どっちかなぁ? 〕
〔 平気で、だけど優 しく持ってあがられるくらい気を遣える男の子であってほしい! 〕
そんな願望もあって、
いつか 確認 してみたい という課題ができました。
それに、 ドキドキしたり ワクワクしたりの 体感 を加えたら 満点だ ワン!
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知識はあるようだけど … ということで
1980(昭和55)年12月21日発売 アルバム収録曲、
イルカ さん の 『夢見るパワー』
(作詞/作曲 = イルカ さん)
「図鑑の上の虫は知っていても 土をいやがる子供達」
「川を流れるささ舟や 水すましはどこへ消えたの?」
「こんなこんな地球だけど 夢見るパワーを持ちなさい Oh ! Flower children !」
環境が変わり、水生昆虫など 本物を見かけることが容易ではなくなった現代。
昔の遊びさえ見かけなくなってしまいました。
自然には優 しくない人間達。 生き物達はきっとそう言っていることでしょう。
いろいろな問題を抱えた中で これから生きて行かなければならない子ども達に
「夢見るパワーを持ちなさい!」 と言えるよう、大人達も真剣に考えなければ
いけないと思います。 (※ ブログ内容や 歌詞から、その時 感じたことを書いています。)
デビュー10周年記念に発売されたアルバム、
「我が心の友へ」 の 4 曲目に収録されているこの曲は
1981(S.56)年 4月から 1ヵ月間、 <みんなのうた> で放送されていました。
初めて使われたのがこの歌で、今現在 11曲もの歌が使われているようです。
2010(H.22)年には 新曲を含めた選りすぐりアルバム、
「森羅万象」 の 6 曲目に、ニューバージョンで収録されているとのことです。
彼女のソロデビューは 1974年の 『あの頃のぼくは』。
「我が心の友へ」 に表記された <デビュー10周年> とは、途中加入(1970(S.45)年) の
シュリークス (フォークソンググループ)時代 を加えてのもの。
シングルを 1枚発売 した後 メンバー二人が抜け、リーダー(神部和夫氏) と二人での
活動となり、シングル 5枚を発売。 途中の1972(S.47)年、二人は結婚。
その後 ご主人がプロデサーューとなり、<イルカ> の名で ソロデビューとなりました。
(イルカさん関連の記事や歌については こちら で ご覧ください。)
『夢見るパワー』 は <みんなのうた>らしい歌だなと思うけれど、意外と難しい。
けれども 彼女が歌うと なんとも味のある歌です。
あれから30年以上の時が流れ、今聞くと 身につまされる思いも します。
環境問題や気象のこと、この頃にもっと真剣に考えていたら変わっていたんだろうか!?
そんな疑問も湧いてきます。
空や木や動物。
いろんなものを愛することは 少女趣味でもメルヘンチックでもない!
そんな心は無くさないでいたいし、無くしてほしくないと思います。
マー君やター君には、持っていてほしいし、持ち続けてほしいわね!
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