― 歌・種・記・文 ― (うたたね きぶん)

日々の中で感じたことを書き留めた自分のための雑記帳。
記憶を鮮明にさせてくれる画像や思いが大事な宝物になっています。

評議員になって思うこと  ― 隣組 ―

2012-11-18 | 想い・思い・体験 話

 今年の4月から、
町内会の 評議員 になりました。

     <評議員> とは、地域(組)の各世帯理事 との間の 橋渡 し をする人。
     <理事> の上には 地区長 が いら して、その上に 自治会事務所 があります。

公平を期すため <評議員> は ごとに 1年間の <持ち回り> ということになっていて、
17世帯の集まりである我が組は 17年で ひと回り!
つまり 17年ぶりに回って来たということになります。
ただ、その頃 私はここにいなかったので 今回が初体験!
世間話を したことがあるのは お隣のおばあちゃんくらいなものなので 心配な点も ありま した。

     <評議員> の 主な役割 は
     所属する地区の組代表 と して
      ・ 毎月、「県のたより」 等の <広報> を配布すること。
      ・ 回覧板を回すこと。
      ・ 年会費や募金等の集金をすること。
      ・ 集めたお金、入金伝票、記名の書類等を期間内に理事宅まで届けること。

全部の家が道路に面 していれば楽なので しょうが、
気を配っていないと飛ば して しまいそうに入り組んだ区画の家々。
配布物がある時 などは 入れ忘れの無いよう かなり気を遣います。

<評議員> と しての お仕事は 月に1~2度。
大 したことはないように思うんですが、
<至急回覧> や <集金> がある時は さらに気を遣うことになります。




今年の3月、
まずは 自治会の理事の方から電話がありました。
「4月から新 しい年度に変わるんですが、次の <評議員> をやっていただくことは出来ますか?」
それまで 回覧を回すだけだった私は
 「初めてなので まったくわからないんですけど、それでも大丈夫なんで しょうか?」 と伺いました。
すると理事さんは
 「わからない点は私に聞いていただければお答え します し、
  わからないことがないよう 出来るだけ対応させていただきたいと思います。」 と言ってくださいました。
今まで各世帯がやってきて、お手数を おかけ したこともあるわけですから、
もちろん、快く受諾させていただきました。


お引き受け したのはいいけれど、
いったい いつから始まるのかが まったくわからないでいた4月の初め、
お隣りのおばあちゃんが 回覧板と配布物を持って来てくださって、
 「これがうちの最後の仕事!
  今度はあんたンとこだから いろいろ面倒なこともあるけどよろしくね!」 とおっしゃいました。
私が 「まったくわからないんですけど 大丈夫かしら?」 と聞くと
 「私だって出来たんだもの、なんとかなるわよ!」 と。


初めてのお仕事は けっきょく 5月に入ってからになりました。
   ある日、夜 帰宅すると 玄関に紙袋がぶら下がっていて、
   その中には 回覧板と回覧物、広報の配布物、ファイルが入っていました。


   回覧物 は 23年度の事業報告や新年度自治会役員名簿、赤十字募金のお願い 等々。
      書類を挟んで回すための <回覧板>が 4枚も あることに驚きましたが、先に回 したものが
      戻って来る前に また回覧がある場合もあるということのようなので 一応納得。
   配布物 は 県、市、区 それぞれの <たより>。
      これは毎月発行され配布される物なので、月初めには各家庭の郵便受けに
      必ず投函することになります。
   ファイル は A4紙15枚ほどに集約された「自治会覚え書き」。
      理事さんが <評議員用> にと 1年の流れや その都度の作業を 原本コピーなどを使って
      わかりやすく書き記 してくださったものでした。
      これがあるお陰で ほとんど迷うこともなく こなすことが出来ています。

私も、                                     
この機に と思い、パソコンで回覧順を記 した紙を作り直 しておきました。
   修正ペンを使って直 しに直 してきたら しい紙は 線も歪(いびつ)で、ほとんど手書きのようになっていて
   見た目の悪さが気になりました。 基礎的なものを作っておけば 後はコピーで使い回 しが可能です。


初めて回覧を回 した際には                      
 [ 不慣れなため、ご迷惑をおかけすることもあると思いますが、この一年、よろしくお願い致 します。]
といった内容の文面を 書類の一番上に添付 しました。
ところが この回覧、いつまでたっても戻って来ないというありさま!
初回から 今後どう したらいいものかと不安になりました。
そうこう しているうちに <至急支持の回覧> が来て しまいました。 
そこで、<急ぎ>であることを回覧板の表に大きく記すと共に
現状況や そのことに関する思いも 記載 し、
期日を大きな赤文字 に して回 しました。
すると、今度はなんと 前の回覧板と共に 8日で ご帰館!
   けっきょく、前の回覧が戻って来るまでには 3週間以上かかったことになりました。
   実際は24日。 それって 延べに して 1軒1日以上かかったことになるわけだから かなり酷い!
   けれども 何も云わなければ、もっとかかっていたかも しれません。


やっぱり こちらの思いを伝えることが大切 なのね~!

せっかく学んだんだから 実践 しなくちゃもったいない!
そこで それ以後も 毎回 気づいたことなどを ひと言 書いて回すようになりました。

        たとえば …
          前回は ご協力により回覧がスムーズに(○○日ほどで)回ったという感謝の気持ち。
          今回は 提出期限が ○○日であること。
          申 し込みなどがある場合、遅れてしまうと その方に迷惑をおかけ してしまうこと。
          したがって 出来るだけ速やかに回 していただきたいこと。  等々


お蔭で回覧は ほとんど1週間~10日。 
遅くても2週間ほどで戻って来るようになりました。

各お宅でも、
 〔 ここは普段 いらっしゃらないな! 〕 〔 停滞 しそうだな! 〕 と思った時は 臨機応変
徐々に、順番に限らず回 してくださるようにもなってきているようで、とても助かっています。



ただ、いまだに重荷 に思えて しまうのは 募金などの 集金 です

   回覧を回す際には 伺う日を土日とするよう指示が出ています。
   それは 集金する側も される側も、昼間でもいる可能性が一番高いと思われる曜日だからでしょう。
   私もそれに倣(なら)って そのように記載 して回 しているんですが、
   何度伺っても、いつ行っても いらっしゃらないお宅があるので 集金があると少々気が重くなります。

  1軒は 2年ほど前にお母様が亡くなられて 一人暮ら しとなった男性会社員のお宅
    ほとんど 家にいらっしゃらない上に いら しても出なかったりする というお話を伺っています。
    だけど、このお宅の場合は お隣の奥様が気を遣ってくださって
    「何度も足を運ぶのは大変で しょうから …!」 と立て替えてくださるようになり、
    非常に助かっています。
      たとえ小額だろうと お金はお金。 きちんと しなければ という思い!     
      <なあなあ>では私自身の気持ちに修まりがつかないので 領収証 を 作りました。
      立て替えてくださった奥様も 証明になる物があれば 口で言うより貰いやすいことでしょう。
        「ま~! こんなに手間のかかること してくれる人、今までいなかったわ!」
        「みんな適当だけど問題が起きたことはないから あんまり頑張り過ぎなくて大丈夫よ!」
        「きちんと しようと し過ぎると疲れちゃいますよ。 うちは適当で構わないからね!」
        「ここの人達はみんな古いから、ここまで しなくてもわかってくれると思うわよ!」
      初めのうちは 優 しい気持ちで あちこちから <楽にやるよう> 声をかけていただきました。
      ですが、「お金のことなので …!」 とお渡 しし続けていたら
       「この頃 渡 したか渡さないかを忘れちゃうのよ~! だからこれがあって助かってるわ!」
       「私の時も 絶対 真似 しようと思ってるの!」 など
      今では みなさんの意識のほうが 少 しずつ変わってきているのを感 じるようになりました。
      こんなことで ちょっと親 しくなれるというのも 嬉 しいことです。

  2軒目は 耳の遠いおじいちゃんがいるお宅
    このお宅にはチャイムがないので、毎回 ドアをノック しなければならないんですが、
    いらっしゃらないのか 聞こえないのかが わからない!
    耳が遠いというお話は伺っているので 何度も何度もノック! 指の関節あたりが痛くなります。
    せめてチャイムがあったら … とは思うのですが、そこまで立ち入ったこともいえず、
    少々困っています。

      ここは 一人暮ら しではないようなんですが、土日でも ご家族にお会いできず、
      何度も伺い悩んだ末 日曜日夜8時半過ぎに伺ったところ、
       「こんな時間に!?」 と言われて ちょっとめげました。
      お休みの日の朝や 夜の訪問は こちらと してもかなり気を遣うので できれば避けたいところ。
      相手も深い意味はなかったのかも しれませんが、言われたほうとしてはけっこう辛かった。

  もう一軒は ホントに いつ伺ったらいらっしゃるのかが まったくわからない宅
    朝、お昼前、3時頃、夕食前、夜 と 日に5回の訪問が 毎回 2日続いた上に
    月曜日の朝伺っても まだお会い出来ない!
    以前は 根気よく お会い出来るまで何度も伺っていましたが、こちらの負担も大きくなるばかり!
    届けるのが遅れると理事さんにまでご迷惑をおかけすることになるため
    さすがに困って 先日は <立て替え> を して持って行って しまいました。

      <評議員の立て替え> は しないほうが良いと いわれているんですが、
      ひとつ つっかえると その先々で 滞(とどこお)りが 出来て しまいます。
      ご近所さんですから お会い出来ないだけのことだと信用 も しています し、
      ここは 先へのご迷惑を減らすのがベストだと判断 しました。
      立て替えたお宅のポストには こちらの思いと お互いの負担の軽減を考えた
       [ 何度かお伺いしましたがお会いできず、
                             いつ伺ったらいいのかがわからなくて困っています。 ]        
       [ お手数を おかけ しますが、ご都合の良い時に持って来ていただけたら 嬉 しいです。 ]
      という内容の紙を入れ、我が家のポストには 領収証を貼っておきました。
         持っていら した時に 面と向かって受け取ると、相手の方に気まずい思いをされる可能性が
         あると思ったので、ここは 顔を合わせないで済む方法を … と考えました。

      そして2日後、「お手数を おかけ して申 し訳 ありません」 というメモ入りで    
      お金はきちんと回収することが出来ました。


私がフルに仕事を していた頃は、忙 しくて まったく家にいない状態が常!
それが <負い目> になっていました。
回覧板は、午前中に届いていたと しても 夜遅く読むことになって しまいます。
回 しかたは決まっているようで 我が家は いつも最後。
戻 しは <その年に<評議員>を してくださっているお宅> ということになっていました。
我が家のためにご迷惑をおかけすることは こちらの精神的負担にも繋がるため、
夜中であろうと 見たらすぐにポストに入れて来るように努め、
集金も、来ていただく度にいない という 負担や手間を おかけ しないよう
厚紙にセロテープでお金を貼り付け、
 [ いないことが多いので 先にお支払いさせていただきたいと思います。 ]
 [ お手数をおかけしますが よろしくお願い致します。 ] などと書いて記名 した紙と共に
ジッパー付きの袋に入れて回覧に付けていました。
今回の集金では お隣のおばあちゃんが
 [ 1軒でも集金が減ったほうが楽だろうから 真似させてもらったわよ! ] と
ジッパー袋に入れたお金を回覧板と一緒に持って来てくださって ちょっと感激!
それぞれが相手を思い、少 しでも楽に出来るよう配慮できるようになったら
隣組の仲も もっと円滑になることでしょう。
それはきっと <自分の時にも楽が出来る> ということに繋がると思います。

     ご高齢の方も多いので 期日のあるもの、特に <集金>は大変!
     私が提案 したいのは
     集金日にいないのがわかっている場合、
      ・ 回覧板に名前を書き、<いつならいる> という 日にちや時間を、
                        集金人の都合も考えて 何日分か記載するようにする。
      ・ 通常誰かが家にいることの多いお宅にお願い して 預かっていただくようにする。
      ・ 少ない金額の場合に限り、私のように回覧板にお金を付けて回す。
     こういった方法で 集金する方の負担を軽減する思いやりを持ってほしいということです。




絆が強くなる と云えるまでには至らないかも しれませんが
少なくとも ちょっとした 意思の疎通ができて、信頼関係が生まれてくれば
今後 震災が起きた時にも きっと役に立つことはあるのではないか!?
昔のように お隣さんと 始終顔を合わせて
<世間話> や <井戸端会議> が行われるということがなくなって しまった現代社会。
せっかく何かのご縁で 近くに住んでいるんですから
顔ぐらい覚えて、声ぐらい掛け合えるようにはなりたいな と思います。

   実際、話好きな奥様も多いようなので
   集金の際には 1軒1軒 時間を使う覚悟で 歩くように しているんですが、
   その際に心がけているのは、こちらから立ち入ったことを聞かないということです。
   各ご家庭には それぞれの事情や生活があります。
   好奇心で何でも知りたがれば 揉めごとの元になる!
   相手の素振りで 話せることか そうでないかはわかるはずですから、
   根掘り葉掘り聞きだそうとするような失礼なことのないよう心がけなければいけません。
   また、他のお宅の悪口になるようなことは言わないこと。 同調 しないこと。
   世間一般のお話、季節やお天気のお話、ペットや孫話あたりが最良で しょう。


すでに来年順番が回ってくるお宅からは 「真似を したいから教えてね!」 と言われているので
私が回覧につけた文章等で利用できそうなものはすべて、元を作って お渡 ししようと思っています。
それをコピー して 必要事項を手書きして回せば、初めからすべて書くよりは楽が出来ます。
使うか使わないかは その方の、その時々の、判断で構わない。
だけど、あって使わないのと ないのとの違いは大きいと思いますし、
そこから自由に変えても構わないとなれば、あっても邪魔にはならないと思います。



人間関係は難 しい面も あります。 
初めは小さな行き違いが 思わぬ近隣トラブルに発展するケースもあり、
殺傷事件まで起きることがある!
現に10月10日、世田谷で お向かいに住む 62歳女性と86歳男性の諍(いさか)いから
双方共に亡くなられて しまうという事件が起きています。

普段の言動が いつの間にか自己中心的になって しまっていないか、
相手に迷惑をかけている というようなことはないか、
時々考えてみる必要があるのではないかと思います。

     昔、お醤油の貸し借りが出来た頃のご近所付き合いは親密で、
     何かあれば家に上がって確認するなんてことも出来たのではないかと思いますが、
     そこまで親 しいお付き合いを しなくなっている現代では 考えにくいことでしょう。
     今は <お互いに干渉 しない> というのが習慣のようになっている時代。
     離れていれば会わないで済むということも可能なため 問題の回避が しやすい場合がありますが、
     近隣でのトラブルは そうとばかりはいかないので難 しい面や怖い面を持っています。
     <土足でズカズカと踏み込まれる> と相手に思わせてしまうような不躾(ぶしつけ)な言動は避け、
     社会常識に欠けた 自分中心の言動も控え、
     相手に対する尊重と気遣いを忘れないようにし合えたらいいなと思います。


親しき仲に も 礼儀あり!
      
昔とは違うから、一線を引いて、それを超えないようなお付き合いが良いのではないでしょうか!?


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥    ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥    ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

これを機に、ご近所付き合いが円滑にいけばいいな … ということで
1940(昭和15)年10月発売、
     徳山タマキ さん の  『隣組』
        (作詞 = 岡本一平 さん/作曲 = 飯田信夫 さん)

「とんとん とんからりと 隣組」
   「格子(こうし)を開ければ 顔なじみ  廻 して頂戴(ちょうだ い) 回覧板  知らせられたり 知らせたり」
   「地震やかみなり 火事どろぼう  互いに役立つ 用心棒  助けられたり 助けたり」

   現代に 昔のような<親密な関係>を求めても無理なので しょうが、
     ご近所付き合いも適度にうまくいっていれば 何かあった時には心強いものです。
     教えられたり 教えたり。  纏(まと)められたり 纏めたり。 
     何軒あろうと いざという時には ひとつになれる。 そんな<隣組>になれたらいいですね。
                                   (※ ブログ内容や 歌詞から、その時 感じたことを書いています。)

むか~し聞いた覚えのあるこの歌は 女性が歌っていたような印象があるので
徳山タマキさん って てっきり女性だと思っていましたが、
戦前から戦中に活躍されていた日本の声楽家(バリトン)・流行歌手とのことでした。

この歌自体は 戦前の歌で、
戦時体制において導入された <隣組> という制度を宣伝啓発 したもの。
歌詞は その利点を書いたものだったようです。

いくつかの番組やCMに使われていたら しいので、この歌を知っているのは当然なのかも しれませんが、
<むか~し> という印象が強いので たぶん 『お笑い三人組』 という番組だったのではないかと思います。
   『お笑い三人組』 は、
   1955(S.30)年11月、まずはNHKのラジオ番組と してスタート したようです。(1960(S.35)年3月まで)
   1年遅れの翌年11月からは テレビ放送も開始。(1966(S.41)年3月まで)
   三遊亭小金馬さん(落語家)、一龍齋貞鳳さん(講談師)、江戸家猫八さん(ものまね3代目) の3人 と
   レギュラー陣 (楠トシエさん、桜京美さん、音羽美子さん、武智豊子さん、渡辺篤さん など) が
   あまから横丁を舞台に繰り広げる 火曜日生放送の 公開バラエティコメディ。
   ちらほらと記憶に残っている部分があるように思うのは
   10年も続いたという名物番組だったからなんでしょうか!?
出演者の名前を見たら なんとなく容姿が思い浮かんでくるような気がしました。
きっと子供にも面白いと思える番組だったからなんでしょうが、小さい時の記憶って凄いな~と感心!
歌と共に 懐かしく思い出させていただきました。

今 この番組を見たら

その頃を知っている大人は ほのぼのとするので しょうね~!



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